85: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 12:01:37.17 ID:c3b0uZJF0
彼方「ウルトラビーストって言うのは、ウルトラスペースに住んでるって言われる特殊なポケモンのことだよ。ウルトラスペースは特殊なエネルギーに満ちてるらしくって……それを浴び続けた結果、ウルトラビーストたちは普通のポケモンとは一線を画した強さを持ってるんだ……」
穂乃果「それと……“Fall”もウルトラスペースを通ってきてるから……身体にそのエネルギー浴びちゃってて、それに惹かれてウルトラビーストが寄ってきちゃうんだって」
ダイヤ「では……穂乃果さんと千歌さんは、“Fall”故に寄ってきてしまうウルトラビーストから、彼方さんや妹さんを護衛していたということですね」
穂乃果「うん、そういうこと」
穂乃果さんはダイヤさんの言葉に頷く。
凛「ねぇねぇ、聞きたいんだけど……」
彼方「んー、何かな?」
凛「ウルトラスペースってところを通ってきたってことは……彼方さんにはもともと住んでた世界があったってことでしょ? そこには帰ったりしないの?」
彼方「あー、んー……えーっと……」
穂乃果「えっとね、“Fall”の人はほとんどが記憶を失ってるんだ。……彼方さんや遥ちゃんも例外じゃなくって……だから、元居た世界の記憶が──」
彼方「あのー……それについてなんだけど……」
穂乃果「ん?」
彼方「実は彼方ちゃん……記憶、戻ったみたいなんだよね……」
彼方さんの言葉に穂乃果さんは一瞬フリーズする。
穂乃果「……ええぇぇぇ!!? わ、私聞いてないよ!?」
彼方「退院出来たのが昨日だし……話すタイミングがなくって……」
穂乃果「でも、なんで急に……!?」
彼方「……きっかけは──果林ちゃんの持ってた色違いのフェローチェ。……わたしと遥ちゃんは……ウルトラスペースを航行中に、果林ちゃんのウルトラビースト──フェローチェに襲われて、この世界に墜落したんだ……」
穂乃果「え……?」
海未「ちょっと待ってください……果林はそのウルトラビーストとやらを持っていたということですか……?」
彼方「えっと……果林ちゃんと愛ちゃんは、わたしと同じ世界の出身……というか、もともと同じ組織の仲間だったんだ」
──場が再び静まり返る。
ルビィ「えっと……果林さんと愛さんが彼方さんと同じ世界の人で、仲間なんだけど……果林さんが彼方さんを襲って……? あれ、なんかこんがらがってきた……」
理亞「……仲間割れってこと?」
花丸「うーん……この場合、組織にとって大切な機密や物を盗んで、彼方さんが逃げちゃったって言う方がしっくりくるかな?」
ルビィ「は、花丸ちゃん! そういうこと言ったら失礼だよ!」
花丸「あ、ごめんなさい……物語だとそういうパターンの方がわかりやすいかなって思って……」
彼方「うぅん、花丸ちゃんの言ってることであってるよ」
ルビィ「えぇ!?」
海未「つまり……現在は彼女たちの味方ではないと考えていいんですね」
彼方「うん。……わたしと遥ちゃんは、組織のやり方に賛同できなくて……コスモッグっていうポケモンを連れて、自分たちの世界を脱出したの……。ただ、ウルトラスペースはウルトラスペースシップって専用の船で航行するんだけど……すぐに気付かれて、果林ちゃんのフェローチェに撃墜されちゃったんだ……」
海未「その組織というのは……具体的に何をしようとしていたんですか?」
彼方「……私たちの住む世界を蘇らせるための活動……かな」
曜「蘇らせる……?」
彼方「あのね、想像が難しいかもしれないんだけど……わたしたちの世界は全部合わせても……この地方くらいの土地しか残ってなかったんだ……」
かすみ「オトノキ地方くらいの土地しかない……世界……? どゆこと……?」
彼方「正確には、それくらいしか住める場所が残ってなかったんだ……大半の陸が崩落して海に沈んで……多くの海や大気が有毒な物質で汚染されて、人もポケモンも生きていけない……だから、わたしたちの世界の人とポケモンたちはその少ない土地の中で暮らしていた……。その中でもわたしたちは……プリズムステイツって場所で暮らしてたんだ」
善子「じゃあ、貴方はそこから妹と一緒に亡命でもしようとしてたってこと?」
彼方「亡命……うん、そうかも」
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