78: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/19(月) 11:55:31.98 ID:c3b0uZJF0
ダイヤは千歌が攫われた報せを受けてから、ずっと顔色が悪い。
無理もないでしょう。元とは言え……教え子が連れ去られたのですから。
そして、それは私にとっても同様の話……。
正直、今でも千歌が戦いに敗れて攫われたというのは信じ難かった。
ですが、私はこの地方のポケモンリーグの長として……落ち込んでいるわけにはいかない。
──会議室へ向かう道すがら、
穂乃果「彼方さん……体調が悪かったら、無理しないでね?」
彼方「うぅん……大丈夫だよ〜……。……それに、今彼方ちゃんがお休みしてる場合じゃないから……」
穂乃果がオレンジブラウンの髪色をした女性──名前は確か彼方だったと思います──と話しているところに出くわす。
ことり「穂乃果ちゃん……!」
穂乃果「! ことりちゃん! ……それに、海未ちゃん」
海未「……穂乃果」
私は穂乃果にツカツカと歩み寄る。
海未「……穂乃果、貴方ずっと千歌と一緒に行動していたそうですね……。貴方が付いていながら、どうしてこんなことになるのですか……?」
穂乃果「……ごめん」
ことり「う、海未ちゃん……!」
彼方「ほ、穂乃果ちゃんを責めないであげて……!」
私の言葉を受けて、ことりと彼方が穂乃果を庇うように言う。
穂乃果「うぅん……海未ちゃんの言うとおりだよ。私は千歌ちゃんとお互いをフォローし合うためにいたはずなのに……まんまと相手の策に引っ掛かって……」
彼方「穂乃果ちゃん……」
ことり「穂乃果ちゃん、そんなに自分を責めないで……? 海未ちゃんも千歌ちゃんが攫われたって聞いて……気が立ってるだけなの……」
海未「ことり……! 余計なことを言わないでください……! 私は理事長として──」
希「ストーーップ! それは、今ここでする話じゃないんやない?」
再び言い合いになりそうなところに、希が仲裁に入る。
希「それに、ダイヤちゃんもいるんよ?」
ダイヤ「わ、わたくしは……大丈夫ですけれど……」
確かに希の言うとおりだ。……今ここで口論をしている場合ではなかった。
海未「……すみません、言い過ぎました……」
穂乃果「うぅん、大丈夫だよ」
希「とりあえず……会議室へ向かおう? そろそろ、他のみんなも集まってる時間だし」
希に促されて私たちは、会議室の方へと向かう。
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