743: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/09(月) 00:34:11.73 ID:jK0Y5xHa0
挑発するように言うと、カリンは躊躇なく、手に持ったリモコンのスイッチを押し込む。
直後──
愛「っ゛、ぁ゛!!?」
首に着けられたチョーカーから電流が走り、アタシは痺れて床に転がる。
そんなアタシを見下ろすように、
果林「……もう一度言うわ、愛。私に協力しなさい……」
カリンがそう──命令してきた。
愛「……っ゛……。……まあまあ、カリン……そう、焦んないでよ……」
果林「…………」
愛「……言うこと聞くつもりはないんだけどさ……協力はしてやってもいいよ……」
果林「……は?」
カリンはアタシの言葉に怪訝な顔をする。
愛「……その代わり……カリンもアタシに協力してよ……」
果林「……この状況で交渉しようって言うの?」
愛「どっちにしろ、アタシの頭が必要なんでしょ? いーよ、アタシの頭脳でよければ貸してあげるよ。ただ──アタシにもやりたいことが出来たから、それはやらせてもらう」
果林「…………」
愛「どーせこのおもちゃに発信機も付いてんでしょ? カリンの監視範囲内でアタシはアタシのやりたいことをやる。アタシはカリンの求める知恵と技術を提供する。それでお互いWin-Winっしょ?」
果林「……わかったわ」
カリンはアタシの言葉に頷いた。
愛「交渉成立だね〜♪ これからはカリンの駒として、せっせと働いてあげるよ」
果林「……信用してるわ、愛」
愛「へいへい、任せろ〜」
信用……ね。
アタシも信用してるよ、カリン……。
こうして──新生“DiverDiva”の計画が、始まったのだった。
👏 👏 👏
……アタシはりなりーを失った。カリンはカナちゃんを……。
完全に政府の方針と一致した動きを見せていたカリンの発言権は強く、アタシもカリンに首輪を嵌められていたこともあって、すぐに軟禁は解除された。
──まあ、その日のうちに構造を完全に理解して、いつでも外せるようにはしてたんだけどね。
そうしたら、ポケモンたちもみんな戻ってきた。……ただ、ニャスパーはどこにもいなかった。
りなりーがいなくなったことを知って……この場から去ってしまったのかもしれない。
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