742: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/09(月) 00:32:56.59 ID:jK0Y5xHa0
──『……愛さん。……もし……生まれ変われるなら……』──
──『……次は……世界中の……うぅん、宇宙中のみんなと……繋がりたいな……っ』──
愛「……………………」
ゆっくりと目を見開く。
愛「……………………」
アタシは起き上がって、先ほど自分の涙で濡らしたメモ紙と、りなりーの論文を見た。
愛「……………………りなりーは…………死んだんじゃない…………バラバラになったんだ…………」
なら──
愛「…………りなりー以外も…………宇宙全部が…………バラバラになれば…………りなりーは…………みんなと、繋がれる…………。……あはは。……あはは、あはははははは、あははははははははっ!!!!!」
アタシの笑い声が──部屋中に響く。
愛「そうだ……!!!!! まだ、りなりーの夢は死んでない……!!!!! アタシが……アタシが叶える……叶えるんだ……!!!!!! りなりーの夢を……っ……!!!!!」
このときから──狂気の歯車が、アタシの中で、動き出し始めてしまった。
👏 👏 👏
数日後……カリンが、逃げ出したカナちゃんとその妹の遥ちゃんを乗せたウルトラスペースシップを……撃墜したという噂が流れてきた。
あまりに衝撃的な内容だったのか、見張りが交替の際に話しているんだから、嫌でもわかってしまう。
噂が聞こえ始めて、数日もしないうちに──
果林「──……愛、入るわよ」
アタシの部屋の中に、カリンが強引に押し入ってきた。
愛「……や、カリン。来ると思ってたよ」
果林「もっと落ち込んでると思ってたわ……」
愛「アタシもカリンはもっと落ち込んでると思ってた。……聞いたよ、カナちゃんの乗ったシップ……カリンが撃墜したんだってね」
果林「…………」
カリンはアタシを一瞥すると──手に持っていたチョーカーをアタシの首に着け始める。
そのとき見たカリンの目は──酷く濁っていた。
ああ、アタシと同じ目だ。
自分の目的のためなら──全てを捨てる覚悟をした人間の……目。
果林「……愛……私に協力しなさい……」
愛「…………ああ、これが首輪ってわけか。逆らったときは電撃? それとも、首でも飛ぶ?」
果林「電撃よ……。死なれたら困るわ……貴方には、やってもらわないといけないことが、たくさんあるからね……」
愛「アタシがこんなおもちゃで言うこと聞くと思ってんの?」
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20