738: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/09(月) 00:24:19.13 ID:jK0Y5xHa0
でも、今は構っている場合じゃない。確認しないと……今すぐ……。
アタシはウルトラスペースシップの離発着ドックへと走り出した。
👏 👏 👏
離発着ドックに着くと、整備士たちがたくさん居て、
整備士「──み、ミヤシタ博士……!? お身体は……」
突然現れたアタシに驚いていたけど……。
愛「ごめん、確認したいことがあるから、通して」
押しのけるようにしてシップへと近付く。
そしてシップの裏側──メインエンジンを確認して、目を見開いた。
アタシは勝手に、デブリがぶつかった等のアクシデントによる破損だと思い込んでいたけど──
愛「……完全に……内側から……壊されてるじゃん……」
メインエンジンの壊れ方は……外から何かがぶつかったようなものではなく──ブースターそのものを内側から爆破されたような壊れ方をしていた。
つまり、これは──
愛「……まさか……爆弾……?」
方法は至って原始的だった。それも、エネルギー噴射に反応せず、ある程度ウルトラスペースを航行した先で起動する、時限式の物。
ウルトラスペースシップの航行エネルギーは熱噴射ではなく、あくまでコスモッグから取り出したエネルギーの噴射だから、C4爆弾のような外力で爆発しないものを使えば十分可能だ。
手間の掛かるものではあるが……用意さえしてしまえば、取り付けるだけで良いから時間は掛からない。
でも、そんなものいつ付けた? 発進直前の点検では、そんな不審なもの確認出来なかった。
愛「……あ」
──『……テンノウジ博士、ミヤシタ博士。聞こえるかな。……作戦の無事を祈って、一言言わせてもらおうと思ってな』──
愛「あの……と、き……」
発進前点検を終えたあと、どうしてあの政府役人から激励の言葉なんてあったのかが……やっと理解出来た。
愛「なに……が……作戦の無事を祈って……だって……?」
思わず握り込んだ拳が、怒りで震えていた。
これは──仕組まれていた。
最初から、アタシとりなりーを事故で済ませて消すために、仕組まれていたんだ。
通信に気を取られている隙に……役人の息が掛かった整備士が……。
愛「……誰だ……。……誰が、付けた……答えろ……」
「──リシャン…」
アタシはリーシャンをボールから出しながら、整備士たちを睨みつける。
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