728: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 13:47:40.63 ID:5MWtUFJH0
私は……あることに気付いていた。
突然起こった……メインエンジンの破損。
あれは……どう見ても──人為的な破壊のされ方だった。
つまり……これは……。
璃奈「……私が……ここに来るって言ったからだね……」
私はよくわかっていなかったのかもしれない。
世界というのは……思った以上に、大きな力で、大きな意思で……動いていた。
私たちが何かを言ったところで……変えることなんて……出来なかったのかもしれない。
──私は紙を取り出し、手書きで計算を始める。
璃奈「今の相対速度と、サブエンジン、スラスターによる推進力から考えると……必要な加速度は──」
微妙な軌道計算をしている暇はない。とにかく最低限の推進力の確保が必要。
璃奈「……出来た」
計算は出来た。私は端末に目を向ける。
倉庫の外壁に集中させていたエネルギーは十分溜まった。
璃奈「…………」
私は端末から──シップにある指令を送った。
直後──
愛『り、りなりー!!』
愛さんから通信が入る。
愛『なんか、シップ全体が急に一切の命令を受け付けなくなった……!? ど、どうしよう……!!』
『ウニャァ〜…』
璃奈「うん。私が倉庫からクラッキングして、全操作権を奪った」
愛『え……』
璃奈「装甲出力をシップ後部に集中する」
本来デブリなどから防ぐためのエネルギーを後部に集中させる。これでシップは背部からの衝撃に対して強くなる。
愛『な、なにしてるの……!? りなりー!?』
璃奈「今から、後部倉庫をパージして──爆発させる」
愛『な……っ!?』
今しなくちゃいけないことは、推進力の確保と、機体重量を落とすことの二つだ
後部倉庫を切り離し……爆発の勢いで装甲を強化したシップを押し出すことによって、この二つを同時にクリアする。
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