723: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 13:42:18.94 ID:5MWtUFJH0
私たちは──全てを懸けた観測調査を開始したのだった。
📶 📶 📶
──シップで旅に出て、数週間ほどが経過した。
愛「景色変わらないねぇ……」
ウルトラスペースシップ内からは、ウルトラスペースの景色しか見えないから、進んだところであまり代わり映えしない。
たまに遠方に他の世界への入り口が見える程度だ。
璃奈「でも、確実に相対速度は上昇してる」
愛「エンジン推進を切ってから、それなりに経つもんね」
璃奈「慣性だけじゃない証拠……ちゃんと加速してる」
今はメインエンジンはほぼ稼働していない。使うとしても、誤差修正用のスラスター噴射くらいだ。
それは即ち……中心にある巨大な引力に少しずつ引き寄せられていることを意味していた。
愛「りなりーの理論は……間違ってなかったってことだね……」
璃奈「うん。あとは……十分なエネルギーを持った領域まで辿り着いて……その観測結果を持ち帰れば任務完了」
愛「やっと……ここまで来たんだね……」
璃奈「……うん」
あと一歩……。あと一歩で……私たちの目的は達成される。
お父さんとお母さんの研究が……完成する。誰かの想いを未来を……繋げていく、そんな二人の意志が……。
璃奈「愛さん……ありがとう。愛さんが居てくれたから……ここまで来られたよ」
愛「もう……りなりー、まだ終わってないぞ〜?」
璃奈「わかってる。だけど……今、お礼を言いたくなった」
愛「……そっか」
愛さんは微笑みながら、私を抱き寄せる。
すごく温かかった。
璃奈「……私ね……ずっとずっと……ずーっと……一人で──独りで研究していくんだと思ってた。だけど……気付いたら、周りにいろんな人が居て……果林さんが……彼方さんが……。……愛さんが」
愛「うん」
璃奈「未来の私がこんな風になれるなんて……全然想像してなかった。……愛さんがあのとき……私を見つけてくれたから……今の私がある」
愛「……大袈裟だって。アタシがしたことなんて大したことじゃない。りなりーがお父さんとお母さんを信じて頑張ってきたから、今があるんだよ」
璃奈「愛さん……」
愛「りなりーから始まったんだ。りなりーの気持ちが、想いが、アタシを動かして……カリンやカナちゃんが仲間になって……どんどんどんどん、大きくなって……」
璃奈「……うん」
愛「りなりーが繋げたんだよ……」
愛さんの言葉が嬉しかった。
私がお父さんとお母さんを信じてやってきたことは……何一つ無駄じゃなかった。そう言ってくれることが。
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