712: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 13:23:09.52 ID:5MWtUFJH0
愛「…………」
璃奈「でも、より大きなエネルギーを持った世界には……恐らく文明がある。……人が、ポケモンが……たくさん生きてる文明がある……。それを壊すってことは……その世界の人やポケモンたちを……犠牲にするってこと……」
愛「…………なるほど……こりゃ、確かにアタシでも言っていいのか迷う……」
愛さんは片手を頭に当てて、椅子に腰を下ろした。
愛「……でも、果林たちは何か方法があることを知っちゃってる……。……上への報告を一切しないのは無理かな……」
璃奈「ごめんなさい……。……もっと熟考してから、口にするべきだった……」
愛「いや、りなりーは悪くないよ……。ただ、これは……そのまま、上には伝えられない」
璃奈「うん……」
こんな非人道的なことをするとは考えたくないけど……もしわかった上でやるとなったら……取り返しがつかない。
愛「……それっぽい理屈で、方法はあるけど、危険だから出来ないって説明をしよう」
璃奈「それしかないよね……」
私たちはどうにか嘘を吐かない範囲で、研究報告を作り始めるのだった。
📶 📶 📶
──後日。私たちは政府の役人や実行部隊の司令官の集まる席での、口頭での発表をお願いされた。
璃奈「まさか、呼び出されると思わなかった……」
愛「書面だけじゃなくて、ちゃんと説明しろってことかねー……」
やっぱり内容が内容だけに、書面で伝わりづらいニュアンスも解説することを求められているのかもしれない。
ちなみに私たちが出した研究報告書はざっくり言うと──『世界からエネルギーが流出するのは世界の寿命が迫っているから。それを遅らせるには、私たちの世界周辺のエネルギー量を増やすことが必要だが、それをする方法は現在調査中』という形で提出した。
嘘は吐いていない。
愛「りなりー、ボード持ってきてる?」
璃奈「うん」
やっぱりまだ緊張するから……ボードは使っている。私の発表の方法は割と知れ渡っているから、こういう堅い場でも使うことが許されているのは助かる。
愛「んじゃ、行こうか」
璃奈「うん」
もうすでに人が揃っている会議室内へと足を踏み入れる。
中には……十数人ほどの政府役員、所内の管理者や、実行部隊の司令官が揃っていた。
愛「失礼します。ミヤシタ・愛です」
璃奈「テンノウジ・璃奈です。よろしくお願いします」 || ╹ ◡ ╹ ||
政府役人「待っていたよ。……それでは、早速だが研究の報告を改めてお願いしてもいいかな?」
璃奈「はい」 || ╹ ◡ ╹ ||
そのとき、ふと──
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