711: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 13:22:04.28 ID:5MWtUFJH0
璃奈「……ご、ごめんなさい……」
愛「カリン、やめて。りなりーが困ってる」
果林「私たちは仲良しごっこしてるんじゃないのよ? 世界の命運を懸けて戦ってるの」
愛「……」
果林「……」
彼方「ふ、二人とも落ち着いて! 果林ちゃん、焦って聞いても彼方ちゃんたちにはよくわからないだろうし、ちゃんと報告した後にわかりやすく纏めてもらった話を聞こう? ね?」
果林「…………わかった」
彼方さんが宥めると、果林さんは私に背を向けて椅子に腰を下ろす。
璃奈「……ほっ」
愛「りなりー、大丈夫?」
璃奈「……うん」
彼方「ごめんね……果林ちゃんも悪気があって言ってるわけじゃなくて……最近、調査進捗とかメディアから詰め寄られることが多くって……だから、ちょっと焦っちゃってるだけで……」
璃奈「うん、理解してる。果林さん、ごめんね、すぐに言えなくて……」
果林「……私こそ……ごめんなさい……。……ちょっと、頭を冷やすわ……」
果林さんの焦りも理解出来る……。……矢面に立って、一番せっつかれているのは間違いなく果林さんだ。
……それも、人前に立つのが苦手な私の盾になってくれている。
だから、煮え切らない態度を取ってしまったことに申し訳なさはある。
愛「……それじゃ、アタシとりなりーで一旦理論を纏めてくるから……」
果林「ええ……お願いね」
とりあえず、愛さんに相談して……どう上の人に伝えるかを纏めないと……。
愛さんと一緒に執務室に移動する。
愛「それで……聞いていいかな」
璃奈「…………。私たちの世界がエネルギー的に委縮を続ける理由は……恐らく世界の持つ根本的な寿命なんだと思う……。高次元との間の境界面が、時間と共に薄くなって……そこからエネルギーが流出していく」
愛「じゃあ……どうしようもないってこと……?」
璃奈「うぅん……。もし境界面が薄くなったとしても……周辺にあるエネルギーが多ければ問題ない。問題なのは、世界の周辺のエネルギーが不足して、エネルギーの圧力のようなものが下がってるから」
愛「……なるほど。内外で圧力差が生じるから、外にエネルギーが逃げちゃうのか」
璃奈「うん。なら……周辺のエネルギー圧を上げればいい……」
問題はその方法だ。
璃奈「エネルギーはウルトラスペース内で流動してる。……ということは、どこかで巨大なエネルギーの爆発を起こせば……その余波で、私たちの世界の周辺のエネルギー圧も上昇するはず……」
愛「まあ、単純な話だよね……。少ない場所にエネルギーを供給するには、溜め込んでる場所から持ってくればいいもんね」
璃奈「でも……たくさんのエネルギーを溜め込めるのは……恐らく、世界そのもの」
愛「……世界がエネルギーを溜め込む風船みたいなイメージだよね」
璃奈「うん。……つまり、より大きな風船を割ると……よりたくさんのエネルギーがウルトラスペースに還っていく……」
愛「確かにそう……。……え?」
愛さんも気付いたようだ。
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