699: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 13:02:56.50 ID:5MWtUFJH0
愛「……え!?」
璃奈「……!?」
愛「え、う、嘘……!? 今、ここいたよね……!?」
璃奈「に、逃げた……!?」
二人で焦る中、
「──ひゃぁぁ!? え、なになに!? 君、いつのまに彼方ちゃんのお洋服の中に……!?」
研究室の外から、彼方さんの悲鳴が聞こえてきた。
璃奈「……“テレポート”……」
愛「……こりゃー、一筋縄じゃいかなさそうだね……」
どうやら、あの雲のようなポケモン……ワープする能力があるらしい。
果林「ちょっと、愛ー!? あのポケモン、彼方の服の中にいるんだけどー!?」
果林さんが、彼方さんの手を引きながら、研究室に入ってくる。
彼方「もしかして、この子……男の子なのかな?」
「ピュィ…」
そう言いながら、彼方さんが襟元辺りを引っ張りながら、自分の服の中を覗き込むようにしていた。恐らくそこに、あのポケモンが潜り込んでるんだろうけど……彼方さんの着こなしは、もともとちょっとルーズだから……なんというか、すごく際どい感じになっていた。
果林「やめなさい……男の人が通ったらどうするのよ……」
愛「カナちゃんって、ちょっと警戒心薄いよね……」
果林「ホントに……心配になるわ……」
彼方「えぇー? そうかなぁー?」
肩を竦める愛さんと果林さんの反応を見て、彼方さんは少し不服そう。
璃奈「……極端に憶病なポケモンなんだと思う……。彼方さんが一番守ってくれそうだから……彼方さんのところに逃げたんだと思う。……たぶん」
彼方「おぉー、この子、人を見る目があるよ〜♪」
「ピュィ…」
愛「ポケモンからの好かれやすさってあるもんねー。確かにカナちゃんって、ポケモンに好かれる方だよね。……逆にカリンは……」
果林「……何が言いたいのよ」
愛「おっと……何でもない何でもない」
璃奈「とりあえず、何か情報がわかるまで、呼び名があった方がいいかも。いつまでも“あのポケモン”とか“この子”とかって呼ぶのもわかりづらい」
愛「カナちゃんが付けてあげたら?」
彼方「んー……それじゃ、雲みたいだから“もふもふちゃん”で〜」
「…ピュイ」
めでたく、このポケモンの名前が“もふもふちゃん”に決定した。
果林「……それより、頼まれてたもの、持ってきたわよ」
「バンギ」
彼方「あ、そうだったそうだった〜。カビゴン、ここに置いて〜」
「カビ」
愛「あっと……本来の頼み事を忘れるところだった」
果林さんのバンギラスと、彼方さんのカビゴンが、抱えていたコンテナを室内に下ろす。
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