696: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 13:00:18.95 ID:5MWtUFJH0
愛さんがボール内と話すために作った端末でベベノムのバイタルを確認する。こちらも異常無し。
果林「それにしても……ベベノムがウルトラビースト……ねぇ……」
彼方「ベベノムって、街外れの丘にたくさんいるからね〜……。“虹の家”の外でもたまに見かけてたよね」
やっぱり果林さんたちも、ベベノムがウルトラビーストというのは未だに信じられない様子だった。
確かに、すごくポピュラーなポケモンだから、あの子たちが特別な存在だったと言われても、ピンと来ないのは仕方がない。
私たちも、最初はまさかベベノムがそんな特異なポケモンだなんて、考えてもいなかったわけだし……。
彼方「……すやぁ……」
果林「彼方、寝ないの」
彼方「えぇ〜……だってぇ〜……毎回、こうやってホールを見てるだけなんだもん〜……」
果林「私たちは万が一に備えてここに居るのよ」
彼方「わかってるけど〜……」
果林さんたちの目的は私たちの安全確保。
そのため、実験をするときは絶対に同席してもらうんだけど……ウルトラビーストが現れたのは、私たちが最初の実験でホールを開いたときの1回だけ。
だから、二人は実験中ただ座って、じっと実験の光景を眺めるだけの毎日が続いていた。
今日も同じように、ホールのデータだけ取って終わりかな……。……そう思った、まさにそのときだった。
璃奈「……! ホールにエネルギー反応!」
ホールのエネルギーの数値が急に跳ね上がった。
私は端末を操作して、エネルギーの出力を絞るけど──ホールは閉じようとしない。
愛「この数値……!? ヤバイ!! りなりー、ホール閉じて!!」
璃奈「もう、やってる……! けど……ホールが外側からこじ開けられてる……!」
焦る私たちの様子を見て、
果林「な、なに……!?」
果林さんも立ち上がる。
直後──研究室内のホールがカッと光り、
「──フェロ…」
気付けば実験室内に──真っ白な上半身と、黒い下半身をした、細身のポケモンが立っていた。
それを見て、果林さんが「綺麗……」と呟くのが聞こえた。
あのポケモンは──
璃奈「ウルトラビースト……フェローチェ……!」
自身の美しさで人やポケモンを魅了する力と、瞬足の攻撃で都市一つを壊滅させた……そんな伝承が残っている、ウルトラビースト・フェローチェとよく似た特徴を持っているポケモンだった。
愛「カリン!! 直視しちゃダメ!! ウルトラビーストには人を操る力を持った奴がいるから!!」
果林「え……?」
愛さんが果林さんにそう注意を促すのと同時に、
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