691: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 12:53:29.25 ID:5MWtUFJH0
璃奈「ウルトラ……ビースト……」
愛「ここではない……ウルトラスペースからやってくると考えられている……異形の生き物のこと……」
璃奈「人智を超えたパワーを持っていて……空間の穴を通って、こちらの世界に現れることがある……」
愛「普段だったら、絶対……胡散臭いって思うのに……」
璃奈「たぶん……これは、事実……」
数百年に1度あるかないかの頻度で……この異形が現れているという記録……というか、伝説や伝承が見つかった。
種類は様々で……瞬足を持つ美しき純白の異形、巨大な竹のような腕を持った飛翔体、爆発する頭を持った霊魂など……一見、共通点が見当たらないように見えるけど……。
それらには、共通して……空間に開いた穴に消えていったという情報が見受けられた。
そして、その情報の中に──異世界からやってくる異形のことを……ウルトラビーストと名付けている記述があった。
愛「……これって、つまり……」
璃奈「恐らくだけど……私たちが探していた高次元空間に生息してる生物……ってことだと思う……。……帰っていったって記述を見る限り……あのポケモンたちは、異次元へのホールを自分たちで開けられるのかも……」
愛「……じゃあ、アタシたちの前に現れたのは……」
璃奈「……恐らく、こちらから穴が開けられたせいで……ウルトラスペースから、こっちに迷い込んできた……」
愛「……ってことだよね……」
そして、もう一つ……気になることがあった。
その、ウルトラビースト……という生き物に該当する存在に、
璃奈「……紫色の毒針を持つ、毒竜……。……これ……」
愛「ベベノムの進化系のアーゴヨン……だよね……」
璃奈「……うん」
この世界には、アーゴヨンというポケモンが居る。
ベベノムの群れには、ベベノムたちを甲斐甲斐しく面倒を見て育てる、進化系のポケモンがいる。それがアーゴヨンだ。私たちの世界でも稀に見ることが出来るポケモン。
つまり……実はベベノムはウルトラビーストの子供かもしれないということだ。……一見突飛な話にも聞こえるけど──
愛「……仮にベベノムがそういう存在なんだとしたら……異様に大きなエネルギーを持ってたこと……ホールを開けることが出来た理由を説明出来る……」
璃奈「……ベベノムはウルトラビースト……」
愛「でも、それだと逆にベベノムはなんでウルトラスペースに帰らないんだろう……?」
璃奈「……これは、私が考えた仮説だけど……。……逆なんじゃないかな」
愛「逆……?」
璃奈「アーゴヨンはもともとウルトラスペースに住んでいたけど……子育てをするために、安全な世界を見つけて……それが居ついて……」
愛「何百年、何千年って時間を掛けて……繁殖した個体がいたってこと……?」
璃奈「うん……。……もちろん、仮説の域を出ないけど……」
ただ、重要なのはそこではない。
璃奈「じゃあ、アーゴヨンにホールを開ける能力があるのか……だけど……」
愛「……たぶん、この世界で繁殖を続ける中で、失われたって考える方が妥当だよね……。……能力が残ってるなら、すでにホールの存在を誰かしらが気付いてる気がするし……」
璃奈「失われたというか……戻る必要がなかったから、今この世界にいる個体はウルトラスペースに行けることを知らないってだけかもしれないけどね……。それだけのエネルギーはベベノムたちでも持ってるわけだし」
愛「……なるほど」
さて、ウルトラビーストとウルトラスペースという伝説の産物が、恐らく事実であることを突き止めた私たちは……次に何をするべきだろうか。
──世界を救うために、私たちが次にするべき行動は。研究は。
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