675: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/08(日) 12:38:59.15 ID:5MWtUFJH0
璃奈「この子……早く診てあげないと……」
「ベベノ…」
愛「そだね。研究所に急ごう」
璃奈「うん」
私たちはベベノムを診るために、急いで研究所へと戻る──
📶 📶 📶
璃奈「栄養状態が悪くて、毒腺が詰まってる……。だから、狩りが出来なくて、人の食べ物を奪ってたんだね……」
「ベベノ…」
璃奈「でも、大丈夫だよ。ちゃんと栄養のあるものを食べれば、すぐ良くなるから」
「ベベ…」
璃奈「だけど……どうして、こんなになるまで……」
ベベノムは賢いポケモンだから、群れに弱っている個体がいたら、普通は食料を分け与える。
だから、こんな風に栄養失調で弱ったベベノムが単体でいるのはすごく珍しい。
……というか、そもそも街にいること自体が不可解だ。
人を必要以上に怖がらないポケモンではあるけど、人の集落にわざわざ好んで現れるかと言われると、そんなことはない……。
私が頭を捻っていると──
愛「……たぶん、この子……人が逃がしたポケモンだね」
愛さんが検査端末を弄りながら、そんなことを言う。
璃奈「……どうして、そんなことがわかるの?」
愛「この子……ボールマーカーが付いてるから」
璃奈「ボールマーカー……? ……えっと、ボールに入れたときに紐付けされる情報だっけ……?」
愛「そう。しかも、試作品のボールマーカーだね……。……開発資金を提供してた一部の金持ちに配られた型かな。たぶん、色違いが珍しくて試しに捕まえてみたはいいけど……結局手に負えなくなって、街中に逃がしたってところだと思う」
璃奈「それで……自分の住処に帰れなくなっちゃったんだね……」
「ベベノ…」
愛「だから、一般人の手に渡らせるのは、流通が始まってからの方がいいって言ったのに……。……一応アタシならボールマーカーの個別識別情報から、誰の手に渡った試作ボールかまで特定出来なくはないけど……どうする?」
璃奈「……うぅん、そこまでしなくていいと思う……。……その人のところに連れて行ったところで、責任なんて取らないだろうし……」
愛「ま……そうだろうね」
璃奈「とりあえず……元気になるまで、ここでお世話してあげよう」
「ベベノ…」
愛「それがいいかもね」
璃奈「もう安心して大丈夫だからね。ベベノム」
「ベベノ…」
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