侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」 Part2
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650: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/07(土) 11:54:33.76 ID:Xct6+7De0

歩夢「? 侑ちゃん? どうかしたの?」

侑「あ、ごめん……なんか、みんなどんどんアイディアが飛び出してきて、あっという間に正解なんじゃないかって場所にたどり着いちゃったから……なんか、すごいなって思って」

せつ菜「皆、それぞれに旅をしてきましたからね……その経験と知識が集まれば、わからないことなんてありませんよ!」

しずく「ですね。私たち、本当にいろんな場所を見て回ってきましたから……!」

かすみ「もしかしたら、かすみんたち……こうして世界を救うために、冒険の旅に出たのかもしれませんね!」

せつ菜「そう考えると、RPGの勇者一行みたいでかっこいいですね!!」

歩夢「ふふ……♪ 最初は、どうして自分が選ばれたのかわからなくって悩んでたのに……今は世界どころか……全宇宙を救おうとしてるなんて、あのときの私が知ったらびっくりして倒れちゃうかも……♪」


本当に……本当に、たくさんのものを、この旅の中で見てきた。辛いことも、悲しいことも、苦しいこともたくさんあったけど……それでも、思うんだ──


侑「……私……旅に出られて、本当によかった……。……歩夢、ありがとう」

歩夢「え?」

侑「歩夢が居てくれなかったら私……今ここに居なかった。……歩夢のお陰で偶然イーブイと出会って、たまたまポケモン図鑑を貰って……こうして、みんなと一緒に冒険できたことが……本当に夢みたいなんだ。だから──」


最後まで言おうとして、


歩夢「……違うよ、侑ちゃん」


歩夢に人差し指で口を押さえられる。


侑「……?」

かすみ「侑先輩、わかってないですねぇ……。いつまで経っても、自分はあくまで歩夢先輩のおまけみたいに言うんですから……」

しずく「侑先輩は、脇役なんかではありませんよ」

せつ菜「そのとおりです。侑さん、貴方はもう立派な強さと志を持った── 一人のトレーナーじゃないですか」

侑「……みんな……」

歩夢「……私が居たから、侑ちゃんがここに居るんじゃないよ。侑ちゃんがここまで歩いてきたから……侑ちゃんはここに居るの」


歩夢はそう言って私の手を握る。


侑「歩夢……」

歩夢「そして……それはみんな同じ。……侑ちゃんは私たちと何も変わらない」

しずく「もし侑先輩の旅立ちが偶然なら、私たちの旅立ちだって偶然ですよ」

せつ菜「むしろ、侑さんの場合は自分で掴んだ結果です。そんな消極的に捉えられたら、私の立つ瀬がないじゃないですか! もっと自信を持ってください!」

かすみ「選ばれたかすみんたちと侑先輩、じゃありませんよ。私たち5人みんなが、ヨハネ博士に選ばれたトレーナーです!」

侑「……!」


──私は、無意識のうちに、引け目を感じていたのかもしれない。

自分は選ばれたわけじゃないから。選ばれたみんなに便乗させてもらっただけだ……なんて。

でも、そうじゃない。……そうじゃ、なかったんだ。

本当は、きっかけなんて……どうでもよかったんだ。

私たちはみんな──旅に出て、いろんな景色を見て、時に悩んで、考えて、戦って……ポケモンたちといろんな困難を乗り越えてきた、一人の──ポケモントレーナーなんだ。


侑「そっか……そうだよね……」
 「ブイ♪」

歩夢「イーブイも侑ちゃんとの出会いが偶然なんて言われたら、嫌だもんね〜?」
 「ブイ!!」

歩夢「ほらね♪ イーブイに怒られないように、侑ちゃんも胸を張って。ね?」

侑「……うん!」



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