64: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/18(日) 20:18:29.34 ID:X9ltvPdj0
「…ロン」
ドロンチが、地面に落ちたままだった、バッグをひっくり返し──出てきたボールの開閉スイッチを押す。
侑「……ふふ、そうだね。その子も、一緒に旅してきたもんね」
「ロンチ♪」
ドロンチが──頭にタマゴを乗せて、嬉しそうに鳴いた……まさに、そのときだった。
──ピシッ。
侑「え……」
タマゴにヒビが入った。
──ピシ、ピシピシ……ッ!
タマゴのヒビは音を立てながらどんどん広がっていき──
──パキャッ……! と音を立てて──
「──フィォ〜」
侑「うま……れた……」
ポケモンが──タマゴから、孵った。
透き通る水のような体をした、小さなポケモンだった。
「フィォ?」
侑「……見たことない、ポケモンだ……」
かすみ「かすみんも……見たことないです……」
私は突然タマゴから孵ったポケモンを見て、唖然としてしまう。
生まれる前兆なんて、全然なかったのに……どうして急に……?
かすみ「そ、そうだ……図鑑で、名前を……」
今手元に図鑑がない私の代わりにかすみちゃんが、ポケットから図鑑を出そうとした、そのとき、
「──そのポケモンの名前は、フィオネだよ」
背後から聞き覚えのある女性の声。
かすみちゃんと二人で振り返るとそこには──紺碧のポニーテールを揺らして、
果南「──や、二人とも、久しぶり!」
侑「果南さん……!?」
かすみ「果南先輩……!?」
果南さんが立っていた。
果南「実はさっきの二人のバトル……見てたんだよね」
侑「え……」
かすみ「み、見てたんですか……!?」
ってことは……さっきの子供の喧嘩みたいなのも……。
侑「わ、忘れてください……///」
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