632: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/06(金) 17:10:49.08 ID:djK6Kzqg0
侑「そういえばさ、そういえばさっ! せつ菜ちゃんが貰った最初のポケモンってどんな子なの!?」
せつ菜「あ、はい! 出てきて、ダクマ!」
「──ベァーマ…」
歩夢「わ、可愛い♪」
侑「ダクマ! この子がせつ菜ちゃんの最初のポケモンなんだねっ!」
せつ菜「最初というか、最後というか……少し言い方に悩んでしまいますけどね……」
「ベァ?」
せつ菜「あ、そうだダクマ! おやつがあるので、食べませんか? えっと……」
「ベァーマ」
歩夢「せつ菜ちゃん、ゲンガー用にあげたやつまだ余ってる?」
せつ菜「え? あ、はい。たくさん貰ったのでまだありますけど……」
歩夢「うん♪ じゃ、桃色の“ポフィン”をあげようね♪ ダクマが好きな味だから♪」
せつ菜「え、でも……ダクマだけ、自分用のおやつがないのは可哀想です……。……ゲンガーもおやつを取られたら嫌でしょうし、私が前に作ったやつが確か……」
歩夢「私がいくらでもあげるから、ダクマには桃色の“ポフィン”をあげようね?」
せつ菜「あ、歩夢さん……? ……な、なんだか……すごく圧が強いです……。ですが、私が作った自慢のやつがあるんです! ダクマ! おやつですよ!」
「ベ、ベァ…」
かすみ「し、しず子……あれ、炭みたいな色してない……?」
しずく「というか……炭そのもののような……」
歩夢「あーーーーーサスケーーーーー人のもの勝手に食べちゃダメだよーーーーー」
「シャーーーボッ」
せつ菜「あーーーーーっ!? 私特製の自慢の“ポフィン”がーーーーっ!?」
リナ『歩夢さんとサスケの尊い行いによって、また1匹のポケモンの命が救われた……』 ||;◐ ◡ ◐ ||
歩夢「ごめんね、せつ菜ちゃん……。……お詫びに今度、私と一緒に“ポフィン”作らない?」
せつ菜「え……! い、いいんですか!?」
歩夢「うん♪ “ポフィン”はみんなで作った方がおいしくなるから、一緒に作ろう♪」
かすみ「歩夢先輩! かすみんも一緒にいいですか!? 歩夢先輩のお菓子作りの技術を盗──じゃなくて、教えてください!」
しずく「あ、それなら私もご一緒したいです」
歩夢「うん♪ みんなで作ろう♪ ──そのときに上手な作り方を徹底的に教えなくちゃ……うん」
せつ菜「? 歩夢さん、何かおっしゃいましたか?」
歩夢「うぅん♪ なんでもないよ♪」
侑「じゃあ、私はみんなが作ったのを食べるね! えへへ、楽しみ……」
「ブイ…」
リナ『ポケモン用のお菓子なのに、自分が食べる話ししてる……』 ||;◐ ◡ ◐ ||
賑やかなあの子たちを見ていると──まるで昔の私たちを見ているような気持ちになった。
千歌「せつ菜ちゃん……よかったね……」
仲間に囲まれた彼女は……きっともう大丈夫……。
私は……チャンピオンとして、一人のポケモントレーナーとして……大切なことを教えてあげられたことに安堵するのだった。
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