6: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 02:52:41.05 ID:eLOLjL7n0
ツンベアーを一瞬怯ませる。その隙に、私はクマシュンの方へと駆け出す。
ここまで来て、逃げられましたなんて終わり方は、私もさすがに嫌です……!
「ク、クマーー…」
駆け寄ってくる私に驚いたのか、クマシュンは頑張って逃げようと足を速めるが、
「クマッ!!!?」
それが原因で、逆に足をもつれさせて、雪の上にぽてっと転ぶ。
クマシュンはもう、目と鼻の先……!! 今なら……狙える……!!
しずく「行け……!! モンスターボール!!」
私はクマシュンにモンスターボールを投擲した。
モンスターボールは真っすぐクマシュンに当た──ると思いきや、おかしな方向にすっぽ抜けていった。
しずく「あ、あれ……? も、もう一回です……!!」
私は振りかぶって、もう一度ボールを投げます……!
今度こそ、ボールはクマシュンに吸い込まれるように一直線に飛んで──行くことはなく、明後日の方向にすっ飛んでいきました。
かすみ「しず子、ノーコンすぎでしょ!?」
しずく「もう〜!? なんで!?」
自分が球技が苦手なのは知っていたけど、まさかこんな至近距離の相手にボールが当てられないなんて思わなかった。
自分のノーコンっぷりに失望しながらも、
しずく「直接ボールを押し当てるしかない……!!」
相手は転んだクマシュンだ……!! ボールを直接押し当てさえすれば、捕獲出来る……!
私が駆け出すと同時に、
「ベァァァァァ!!!!!」
かすみ「しず子ーー!! 後ろーーー!!」
ツンベアーの雄叫びとかすみさんの声。
“マジカルシャイン”での目くらましに、もう目が慣れて追ってきたのだろう。
しずく「間に合って……!!」
クマシュンに手を伸ばそうとした、そのときだった──
突然、ゴゴゴ……と地鳴りのような音が山側から聞こえてきた。
咄嗟に音のする方に目を向けて──私は目を見開いた。
しずく「嘘……」
前兆なんて全くなかった。なのに私たちに向かって──雪崩が押し寄せてきているではないか。
今すぐ身を翻して、逃げようとしたが、
「ク、クマァ…!!!!」
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