592: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/04(水) 13:16:01.33 ID:2N444K9g0
果林「……!」
さあ、必殺技の解禁だ……!
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侑「──私の長所……ですか……?」
彼方「うん〜。わたしも果南ちゃんも、侑ちゃんの短所にばっかり言及しちゃってたからね〜。でも、短所に関しては、ここまでで十分補強できたから、ここからは長所をちゃんと理解してもらいたいなって思って」
侑「なるほど……。……それで、私の長所って……?」
彼方「前にも果南ちゃんがちょっと言ってたけど〜……侑ちゃんが得意なのは戦局の見極めだね〜。特にトレーナーが何をしようとしているのかを、見抜く力がある」
侑「確かに……前にダイヤさんからも似たようなことを言われました。トレーナーをよく見てるって……。……でも、それって結構基本的なことなんじゃ……」
彼方「確かに相手のやりたいことを考えて動くのは戦闘の基本だね〜。でも、それが出来るトレーナーって意外と少ないんだよ〜?」
侑「そう……なんですか……?」
彼方「バトル中って考えることがたくさんあるからね〜。果南ちゃんやかすみちゃんはあんまりそういう組み立て方はしてないだろうし〜……」
言われてみれば、あの二人は組み立てる戦いというよりも……自分たちの出来ることを無理やりにでも通すって戦い方かもしれない……。
彼方「そういう彼方ちゃんもそっちタイプではないし……千歌ちゃんとか穂乃果ちゃんも違うからな〜……。……強いていうなら、せつ菜ちゃんが一番侑ちゃんに近いかも」
侑「え……!?」
思わぬところで、憧れのトレーナーの名前が出てきて驚く。
侑「せ、せつ菜ちゃん……?」
彼方「せつ菜ちゃんは純粋に頭が良い子みたいだから、たくさんの戦術を知ってるし……相手のポケモンやトレーナーの癖を考えながら、バトルを組み立てるタイプ。理論派って言うのかな? もちろん、ポケモンの鍛え方もトップクラスだから、彼方ちゃんも相手にするのは気が重いんだけどね〜……」
侑「じ、じゃあ……私も長所を伸ばしていけば、せつ菜ちゃんみたいに……!」
彼方「ふふ、そうだね〜。でも、この考え方を実行するには、出来なくちゃいけないことがあるのです!」
侑「出来なくちゃいけないこと……?」
彼方「それは、いなしと防御だよ〜」
侑「いなしと……防御……?」
彼方「相手を観察する戦い方って、もともと戦ってる姿を見たことがある相手には最初から使えるけど……初めて戦う相手の場合、まず相手を観察しなくちゃいけないでしょ?」
侑「は、はい……それは確かに」
彼方「でも、戦いにおいて一番難しいのは、初めて見る攻撃を対処すること」
侑「なるほど……だから、いなしと防御が必要だと……」
彼方「そういうこと〜。ただ、侑ちゃんのポケモンは防御が得意なポケモンばっかりじゃないよね。うぅん、どっちかというと苦手な部類かな」
侑「……そうかもしれません」
私の手持ちで出来る防御手段というと、イーブイのいくつかの“相棒わざ”とニャスパーのサイコパワーくらいだ。
彼方「そこで考えるのがいなし。例えば真っすぐ飛んでくる拳は〜」
そう言いながら、彼方さんがこっちにゆっくり拳を向けてくる。
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