575: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/03(火) 12:57:43.90 ID:Sh64zN700
「別に地道に待っても3〜4年くらい待てば不自由ないくらい集まる気はするけどね〜」と付け加えながら。
──しかし、とある問題が起こった。
それは──
愛「……んー……“STAR”の反応……消えたね……」
目的の世界に来たときには、“STAR”の反応が消えてしまっていたということだ。
──痕跡はあったから、間違いなくこの世界にはいるはず……とのことだったけど……。
こっちの世界に来てからすぐに、フェローチェの毒を使い、モデル事務所をコントロールして資金を集めながら……私たちは“STAR”を探していた。
……そんなあるとき──偶然訪れた、コメコシティでのことだった。
果林「……のどかな町ね……」
右を見ても、左を見ても、大きな建物がないけど……とにかく牧場が広い。
このゆったりした空気は、私の故郷に似ている気がして、居心地がいい気がした。
そのとき、ふと──
果林「……え……?」
視界の先に、彼女は、居た。
オレンジブラウンのロングヘアーに、トロンと垂れた眠そうな瞳。見間違えるはずがない。
私が苦楽を共にした家族……。
果林「……彼方……」
彼方が前方から歩いてきていた。
果林「彼方……っ……!」
あのとき、私が手に掛けてしまったと思っていたけど……生きていたんだ。
私は感情が抑えきれず、彼方に向かって駆けだしていた。
彼方「……あ!」
彼方も私に気付いたように、駆けてくる。
どんどん近付き、私は彼方を抱きしめようとした──のに、
彼方「花陽ちゃーん! 今日もしかして、新米入ったの〜?」
花陽「あ、彼方さん! はい、今日は新米が入りました! やっぱり、お米は新米だよね!」
彼方は──私に気付かず、私の横を……すり抜けていった。
──彼方は、私を……覚えていなかった。
果林「………………」
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