574: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/03(火) 12:56:55.61 ID:Sh64zN700
姫乃「──よ、よろしくお願いします!」
果林「よろしく、姫乃」
姫乃「あ、あの……」
果林「何かしら?」
姫乃「私、果林さんにずっと憧れていたんです……それで、組織に入っていつか一緒に働ければと思っていて……」
果林「そうだったの……ありがとう」
姫乃「果林さんも……“闇の落日”でご家族を失ったと聞きました……。……実は私も……それで孤児になって……」
果林「……大変な思いをしたのね……」
姫乃「いえ……それでも果林さんは世界を救うために、戦っていると聞いて……私も果林さんのお力になりたいと……ずっと思っていました……」
果林「……そう思ってくれて、嬉しいわ……」
この子はきっと──愛や璃奈ちゃんや彼方とは違う……。
大切な何かを選ぶためなら……優先順位の低い物を切り捨てられる子……直感で、そんな気がした。
きっと──この子は使える。信頼を得ておいた方がいい。
信頼を得るには……自己開示かしらね。
果林「……姫乃」
姫乃「な、なんでしょうか」
果林「これから一緒に戦う仲間だから……貴方には、私が……あの夜に見たものを、先に……話しておこうと思って……」
姫乃「か、果林さん……は、はい……」
私はもう……日和らない……。
世界を……私の守るべき世界を……救う。
そのために手段なんか……選ばない……。
👠 👠 👠
──姫乃は優秀だった。
研究班として入ってきたが、もともと戦闘の腕もそこそこ立つ子だったし、二人体制になったことを知った瞬間、すぐに戦闘訓練に熱心に取り組み始め、あっという間に実行部隊のトップ2になった。
私たちはすぐにでも計画を実行したかったけど──問題があった。
それは、あの時点で“MOON”であった彼方が、コスモッグを持ち逃げしていたことだった。シップを撃墜した際に、落ちてしまったコスモッグを回収しないと、エンジンエネルギーの充填の問題でウルトラスペース内を自由に行き来しづらくなる。
そこで愛がコスモッグの持つエネルギーを探知する装置を作り出し──コスモッグを探すことになり、この作戦は星の子に準えて、コードネーム“STAR”と名付けられた。
そして、肝心の“STAR”の行き先は──
愛「……ああ、これ……アタシたちが滅ぼそうとしてる世界だね」
とのことだった。
果林「なら丁度いいわね……。確か、世界そのものに穴をあけるためには、ウルトラビーストをその世界に呼び込んで、大量のウルトラホールをあければいい……って話だったわよね?」
愛「そうそう。ただ、そのためにあっちこっちの世界からウルトラビーストを探すための航行エネルギーが必要だかんね。コスモッグは2匹欲しいってわけ」
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