570: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/03(火) 12:54:09.62 ID:Sh64zN700
果林「彼方……!!」
私は離発着ドックへと走り出した。
👠 👠 👠
離発着ドックに着くと、職員が数人倒れていた。
ほとんど気絶していたけど、
職員「ぅ……」
まだ、意識のある職員がいた。
果林「何があったか教えて……!!」
職員「コノエ姉妹が……シップに乗り込んで……」
果林「遥ちゃんも……!?」
そんなことを言っている間に、目の前で一隻のウルトラスペースシップが──発進した。
果林「彼方……待って……!! ……くっ……!」
私は、もう一隻の方──愛が乗っていた半壊のウルトラスペースシップに乗り込む。
愛はちゃんと帰ってきたし、メインエンジンが壊れていたらしいけど、そこはすでに新しい物に換装されている。万全の機体ではないが、これでも追いかけることは出来るはず……!
果林「た、確か……ここにエネルギーを充填して……オートパイロット……行き先は……」
もし、この状況で向かうとしたら──もうここに戻ってくるのは想定していないはず。その上で、何もない世界に行っても、生きていくことなんて不可能。
なら──行き先は一つ。……私たちが滅ぼそうとしている……たった一つだけ見つけることが出来た、文明のある世界。
私はそこにオートパイロットを合わせる。
発進シークエンスに入ると同時に、通信が入る。
果林「今、忙しいの!! 後にして!!」
『──果林か』
果林「……!」
通信相手は実行部隊の司令。私が彼方を説得すると、そう宣言した相手だった。
司令『彼方のやっていることが、どういうことか……わかるな?』
果林「……それは理解してます……でも、私が必ず説得します。説得して連れ帰ります……だから……!」
司令『わかった。連れ帰れたときは……君に免じて今回は不問にしても構わない。……だが、もし連れ帰れないときはどうする?』
果林「…………」
彼方たちがやっていることは──恐らく亡命だ。
亡命先で私たちの世界がやろうとしていることを知らされる。そんなことになったら、私たちの世界は……。
そういう意味での問い。もうこの時点で裏切り者の烙印を押されてもおかしくない中で、最後の最後の譲歩をされている。
だから、もしそれが出来なかったときは──
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