568: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/03(火) 12:52:18.19 ID:Sh64zN700
私を置いて……行ってしまったのだった……。
👠 👠 👠
──なんとなく、わかっていた。彼方は誰かから奪うようなやり方に賛同なんてしないって。
案の定というか、数日もしないうちに彼方が司令に反対の意思を伝えたという話が耳に聞こえてきた。
彼方と……施設内ですれ違っても──
彼方「あ……」
果林「あ……か、彼方……!」
彼方「ご、ごめん……今、急いでるから……」
果林「……彼方……」
すっかり、避けられてしまっている。
ただ……上の人間たちは、完全に──他世界への侵略の方向で進めようとしている。
……このまま、彼方が反対し続けたら、何が起こるだろうか……?
彼方は事実上の組織の幹部……もし、組織の意向に沿えなかったからと言って……ただ、辞めることで解決できないところまで事情を知ってしまっている。そうなったら彼方は……。
だから私は──
果林「……」
──コンコン。だから私は、戸を叩く。中に入ると、政府の役人たちが会議をしていた。
内容は──彼方をどうするかについて話しているところだった。
だから、私は、こう言った。
果林「彼方は……私が説得します……」
彼方を守るには……もう、これしかないから。
👠 👠 👠
果林「………………」
深夜──私は計画書を見て、眉を顰める。
内容は……まさに他世界への侵略だった。
彼方もすでに、この計画書は受け取っているはずだ。この内容を踏まえた上で……私は彼方を説得しないといけない。
でも、やらなくちゃいけない。
私が……彼方を──家族を……守らないといけないんだ……。
果林「………………早く行かないと」
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20