567: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/03(火) 12:47:07.78 ID:Sh64zN700
私たちは……力を合わせて世界のために戦っていたはずなのに……。
気付いたら……愛も……璃奈ちゃんも……いなくなってしまった。
👠 👠 👠
──そして、私たちはやっと、愛と璃奈ちゃんが……どうして、世界を救う方法とやらを教えてくれなかったのかを理解した。
果林「…………」
彼方「…………」
先ほど司令から……璃奈ちゃんが気付いた、世界を救う方法をざっくりと聞かされた。
それは──
果林「…………私たちの世界を救うには…………他の世界を……滅ぼすしか……ない……って……」
彼方「………………」
詳しい理屈はわからないけど、そうらしい。他の世界を滅ぼすことによって……私たちの世界の崩壊を、食い止めることが出来る。それが、璃奈ちゃんが突き止めた世界を救う方法だった。
それに加えて──もし、それをしなければ……私たちの世界は今後もどんどん、確実に、滅亡へと進んでいく……とも。
彼方は……珍しく私に背を向けていた。どんな顔をすればいいのかわからないからなのか……それとも……。
果林「…………ねぇ……彼方……」
彼方「…………なぁに……?」
果林「…………………………怒らないで、聞いて……」
彼方「…………うん」
果林「………………私は……何をしてでも……この世界を、守りたい……」
彼方「…………果林ちゃん」
果林「………………こんな酷い世界だけど……大切な人がたくさんいるの……思い出の場所が……大切な場所が……たくさん、あるの……もう……この世界から、誰かが、何かが失われるのなんて……耐えられない……」
彼方「…………」
果林「…………彼方……」
私は無言の彼方の背中にすがるように、おでこを押し付ける。
果林「…………貴方は……私の前から……いなく、ならないで……。……お願いだから……」
彼方「……………………」
果林「…………壊すのは……全部、私がやる……奪うのも……罪も、業も、憎しみも、恨みも……全部私が背負う……だから……彼方だけは……私の傍に居て…………お願い…………」
彼方「………………」
果林「………………彼方……」
でも、彼方は──
彼方「……………………ごめん、果林ちゃん……少し……考えさせて……」
果林「………………」
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