56: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/18(日) 20:13:40.00 ID:X9ltvPdj0
かすみ「かすみん……もっともっと、強くならないといけないんです……! だから、寝てる場合じゃないんです!」
侑「……強く、なる……」
かすみ「はい! 強くなって、しず子たちを助けに行くんです! だから、侑先輩も、一緒に特訓しましょう!」
侑「……私は……いい……」
かすみ「……やっぱり、まだ調子悪いんですかね……? 大丈夫です! かすみん、侑先輩が元気になるまでちゃんと待ってます! あ、でもでも……あんまりのんびりしてると、かすみんどんどん強くなって置いてっちゃいますよ〜?♪」
侑「……もう……やめようよ……かすみちゃん」
かすみ「……え?」
侑「こんなことしても……意味ないよ……」
かすみ「……ち、ちょっと、侑先輩〜、どうしたんですかぁ〜?」
侑「……私たちが頑張ったところで……勝負にならないよ……」
かすみ「侑……先輩……?」
侑「……きっと今、もっと強い人たちがどうするか考えてくれてる……」
海未さんが私のもとを訪れたのはそういうことだろう。
何せ、ポケモンリーグのシンボルたるチャンピオンが連れ去られたんだ。
リーグ側が何もしないなんて、それこそありえない。
侑「ジムリーダーとか、四天王とか……そういう人たちに任せた方がいいよ……。……私たちじゃ、足手まといになるだけだよ……」
かすみ「……侑先輩、それ……本気で言ってるんですか……?」
侑「……だって、果林さんの強さ……身を持って思い知ったじゃん……」
──本当に圧倒的な力の差だった。今五体満足で生きていることが、奇跡なんじゃないかというくらいに……。
侑「……私たちがちょっとやそっと頑張ったって……勝てないよ」
かすみ「…………」
侑「だから……もう、やめよう……。きっと、歩夢たちのことも強い人たちがどうにかしてくれる……。だって、この地方には強いトレーナーがたくさんいるから……だからさ──」
そのとき──
かすみ「……サニーゴ」
「──サ」
かすみちゃんが名前を呼ぶと同時に、サニーゴが私の顔に向かって──水を噴き出してきた。
侑「わ……!?」
私は驚いて、尻餅をつく。その拍子に、バッグが中庭の地面に放り出される。
侑「……かすみ、ちゃん……?」
かすみ「…………ジュカイン……! “このは”!!」
「カインッ!!」
侑「う、うわぁ!?」
今度は“このは”が襲い掛かってきて、腕で顔を覆う。
幸い、“このは”は強い技じゃないから、“このは”がべしべし当たって、ちょっと痛いくらいだけど──
侑「なにするの……!?」
思わず声を荒げる。
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