55: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/18(日) 20:13:05.54 ID:X9ltvPdj0
🎹 🎹 🎹
──中庭に行くと、かすみちゃんはすぐに見つかった。
かすみ「さぁ、みんな! あと10周いくよー!」
「ガゥ!!」「クマァ」「カイン」「ヤブク〜」「テブ!!」
「…サ…コ」
かすみ「サニーゴは……まあ、いいや……。速く動けないし……」
侑「……何、してるの?」
かすみ「え?」
声に振り返ったかすみちゃんは──私の顔を見て目を丸くした。
そして、すぐにぱぁぁっと花が咲いたように笑顔になる。
かすみ「侑先輩!! もう、いいんですか!?」
侑「あ、うん……かすみちゃんこそ、平気……?」
かすみ「はい! もう完全回復です! だから今、特訓中なんです!」
そう言いながらも──二の腕や手、太ももや足首と、あちこちに包帯が巻かれているし、何より……頭部に巻かれている包帯が痛々しい。
そんな私の視線に気付いたのか、
かすみ「あ、これですか……? ホントはちょっと擦りむいただけなんですけど……大袈裟ですよね! まー痕とか残っちゃったらイヤなんで、治療はちゃんと受けますけど……。あ、でもでも、かすみんあの戦いの中でも、顔だけは絶対死守したんですよ〜! 偉いと思いませんか、侑先輩♪」
侑「……」
私はかすみちゃんの腕をぐっと掴む。
かすみ「いたっ……!!」
侑「やっぱり……治ってない……。大人しくしてないと……」
かすみ「も、もう侑先輩ったら、急に掴んだら痛いじゃないですかぁ〜! いくら侑先輩でも、そういうことされたら、かすみんぷんぷんしちゃいますよ〜!」
侑「かすみちゃんっ!!」
かすみ「……!!」
私が大きな声を出すと、かすみちゃんはビクリとする。
侑「病室に戻りなよ……看護師さん、心配してるでしょ……?」
かすみ「……侑先輩のお願いでも、それは聞けません」
かすみちゃんは私からぷいっと顔を背ける。
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