558: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/03(火) 12:37:12.36 ID:Sh64zN700
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──そこで捕まえた雲のようなウルトラビーストは……コスモッグというらしく、大量のエネルギーを内包するポケモンであることがわかった。
結論から言うと、このコスモッグを捕獲したことによって、璃奈ちゃんと愛の研究は飛躍的に進むこととなった。
このポケモンが持っているエネルギーを利用すれば──理論上ウルトラスペースの中を航行しうるエネルギーになるということがわかったからだ。
政府は、急ピッチでウルトラスペースを航行するための船──ウルトラスペースシップの開発に着手し、半年という驚くべきスピードでウルトラスペースシップを完成させるに至った。
これにより、ウルトラスペース内の探索が可能になり、研究は次の段階へ……世間からも大きな賞賛を浴び、世界を救うという途方もない話がだんだん現実味を帯びてきていた。
戦闘によって捕まえたウルトラビースト──フェローチェは私が手持ちとして従えることとなり……いろいろなものが順調に進んでいく中──
──“虹の家”の院長先生が……彼方のお母さんが……亡くなった。
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遥「おかあさん……っ……おかあ、さん……っ……」
彼方「……遥ちゃん……」
遥ちゃんが棺桶にすがるように泣きじゃくり、彼方がそんな遥ちゃんを抱きしめている。
果林「…………院長先生……」
数ヶ月前に過労で倒れたというのは聞いていたけど……ウルトラビーストとの邂逅もあり、私はなかなか時間が取れず──いや、正確には彼方を無理にでもお見舞いにいかせるために、仕事を強引に肩代わりしていたためだけど──まさか、こんなすぐに亡くなってしまうとは……思っていなかった。
“闇の落日”の時に吸った瘴気が……ずっと院長先生の身体を蝕んでいたらしい。
果林「…………」
短い間ではあったけど……私にとっては、もう一人のお母さんのようなものだったから……やるせなかった。
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──葬儀も全て終わり……明日にはまた研究所に戻る。……そんな夜のことだった。
私と彼方は、すごく久しぶりに“虹の家”で過ごしていた。
ただ……どうしても寝付けなくて、水でも飲もうかと思いリビングに行くと──
彼方「…………」
彼方が遺影の前で、正座していた。
彼方「…………“虹の家”……立派になったね」
遺影に……院長先生に……母親に、話しかけていた。
私は親子の会話を邪魔したくなかったので、音を立てないように、物影に隠れる。
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