497: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/01(日) 12:21:37.82 ID:w+jDVHjQ0
「────」
──パァンッ!! と音を立てながら、音速で飛んできた水の弾丸が、カミツルギによって斬り裂かれた。
それと同時に、
しずく「かすみさん、逃げるよ!!」
かすみ「しず子……!」
しず子が私の手を引いて、走り出す。
せつ菜「この状況でまだ、逃げられると思っているんですか……?」
「────」
カミツルギがものすごいスピードで追いかけてくるけど……そんなカミツルギを狙い撃つように、連続で水の弾丸が飛んでくる。
せつ菜「……本当の本当に、悪あがきですね……」
「────」
せつ菜先輩はゆっくり私たちの後を追いながら、カミツルギは音速の水の弾丸を、それよりも速い斬撃で斬り払っていく。
しずく「まだ……まだインテレオンがいるから……!! まだ、負けてないから……!!」
かすみ「……しず子」
しずく「私は……諦めない……!! 諦めないことを……今まで何度もかすみさんから教えてもらったから、絶対に諦めない……!!」
そう言って握られた、しず子の手は──震えていた。
しずく「二人で生きて帰るって約束したもん……! だから、だから……!!」
だけど──激しい戦闘の後で、体力が限界だったのかもしれない。
しず子が足をもつれさせ、
しずく「あっ……!?」
──転んだ。
「────」
背後に迫るカミツルギ。
かすみ「しず子っ!!」
私は咄嗟に、転んだしず子に覆いかぶさり、カミツルギからの攻撃の盾になるように、跳び付こうとした──のに。
しず子は私の腕を引っ張りながら、自分は身を捻り、私が跳び付く勢いを利用して、まるで合気道のような方法で、逆に私を自分の背後に投げ飛ばした。
かすみ「……っ!?」
私は地面を滑る。
すぐに身を起こして振り返るけど、
「────」
もう、カミツルギがしず子に向かって、刃を振り上げていた。
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