485: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/01(日) 12:06:06.64 ID:w+jDVHjQ0
かすみ「あ、あのさ……」
しずく「ん?」
かすみ「……べ、別に……病気とかじゃなくても……しず子の面倒くらい……ずっと、見て……あげなくもない……から……///」
しずく「……へっ!?///」
──完全に不意打ちだった。自分の顔が一気に熱くなるのを感じる。
かすみ「だからっ……!! 今は、せつ菜先輩に勝たなきゃ!! 勝って、帰るよ!!」
そう言いながら、かすみさんが──あるものを投げ渡してきた。
かすみ「せつ菜先輩に勝つには必要でしょ!」
しずく「……! うん!」
それを受け取り確認した直後に──私も代わりにあるものをかすみさんに投げ渡す。
かすみ「さぁ〜て……! それじゃ、いっちょやってやりますか〜!」
しずく「うん……!」
位置も十分奥まで来た。
ここでせつ菜さんを迎え撃つ……!!
🎙 🎙 🎙
せつ菜「……」
「ガドーンッ!!!」
先ほどからズガドーンが炎弾を放ち、岩壁を爆破で破壊しながら進んでいる。
さっき一瞬だけ、岩壁の影に彼女たちの逃げる姿を見つけられたが……また、奥へと走り去っていってしまった。
せつ菜「……誘い込んでいるわけですか……」
しずくさんは明らかに地形を把握し、死角の少ない場所を選んだ逃げ方をしている。
恐らく、ここの地形も事前に下調べをしていたのだろう。
最初から全て……私を倒すために作戦を立てていたわけだ。
せつ菜「あの言葉も、全部……演技──嘘だったんですね……」
胸がジクりと痛んだ気がした。せっかく……やっと、私の気持ちを理解してくれる人が現れたと思ったのに……。
せつ菜「とんだ……大女優ですね」
そして、今も彼女は策を弄し、私を誘い込んでいる。
それがわかった上で、攻め込むのは愚策だとわかっているけど──
せつ菜「いいですよ……その誘い……乗ってあげますよ。もちろん……ただで思惑通りに誘われるつもりはありませんが……!」
私も、やられたまま引き下がるなんて、性分が許さない。
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