484: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/01(日) 12:05:23.26 ID:w+jDVHjQ0
かすみさんは心配そうな表情でそう訊ねてくる。
……確かにかすみさんにとっては大事なことか。
もし、私がまだ完全にフェローチェの魅了から脱していないとなったら、いつ発作が起きるかもわからないまま戦うことになるだろうし……何より純粋に心配してくれているんだと思う。
ここからは、かすみさんとの共闘がどれだけうまく行くかに全てが懸かっている。せつ菜さんを引き離している今のうちに、話しておくべきだろう。
しずく「……平気だよ。もうフェローチェになんか、なんの興味もない」
かすみ「ホントに……? ずっと、果林先輩のフェローチェの近くに居たんでしょ……?」
……確かに、果林さんの信頼を得るためには、フェローチェに心酔している演技をし続ける必要があった。
だから、何度かご褒美と称してフェローチェを魅せてもらっていた。……そのとき、私の体内にある毒が何度も暴走しかけたけど……。
しずく「平気だよ……私は平気なの。……フェローチェの毒には絶対に負けない……」
かすみ「な、なんでそう断言できるの……?」
しずく「ふふ♪ かすみさんが言ったんだよ?」
かすみ「え?」
しずく「かすみさんの方が……フェローチェなんかよりも、可愛くて、美しくて、綺麗で、魅力的なんでしょ?」
かすみ「え、あ、そ、それは……///」
かすみさんの顔が赤くなる。
私は……いつかかすみさんが言ってくれた、この言葉のお陰で、負けずにいられた。
しずく「それとも、かすみさんは……私のこと、こんなに魅了しておいて……責任取ってくれないの……?」
かすみ「へっ!?/// あ、いや、だから、あれは別にそういう意味じゃなくて……しず子を助けるために必死で……/// あ、でも、しず子がそう思ってくれるのは嬉しくって……その……///」
しずく「ふふっ」
耳まで真っ赤になるかすみさんを見て、くすくす笑ってしまう。
しずく「あ、でも……フェローチェに魅了されてるのも悪くないかもなー……」
かすみ「へっ!? な、なんで!?」
しずく「だって、そうしたら──かすみさんが一生面倒見てくれるって言ってたから……それも悪くないかな〜……って」
かすみ「ぅ……/// だ、だから……それは……///」
しずく「そう言ってくれて……嬉しかった……」
そう言いながら、かすみさんの指に私の指を絡めると──なんだか、心地の良いドキドキがしてきて……この気持ちの方がフェローチェの魅了なんかよりも、ずっとずっと……幸せな気持ちだった。
──そのとき、近くでドカンッ!! と爆発音がする。
せつ菜さんが追い付いてきた……!
かすみ「や、やば……走るよ……!」
しずく「あ、うん」
かすみさんが私の手を引いて走り出す。
……むー……なんか誤魔化されちゃったな……。まあ、いいけど。
なんて、思っていたら、
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