483: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/01(日) 12:04:19.83 ID:w+jDVHjQ0
■Chapter065 『決戦! ポケモントレーナー・せつ菜!』 【SIDE Shizuku】
しずく「──とりあえず一旦、せつ菜さんから距離を取ろう!!」
「ベァ…!!!」
かすみ「う、うん! 行くよ、ジュカイン!」
「カインッ!!」
かすみ「ダストダスは一旦戻って!」
「ダストダァ──」
私はかすみさんの手を引きながら、峡谷の細い道へと走り出した。
その際かすみさんは、体が大きく走るのが苦手なダストダスを一旦ボールに戻す。
せつ菜「……逃げるなら内側にいるバリコオルを倒すまでです! ズガドーン! “かえんほうしゃ”!!」
「ガドーンッ!!!」
ズガドーンが、透明な壁を作っているバリコオルへ攻撃を仕掛けるが、
「…………」
バリコオルは無言のまま、壁をすり抜け、壁の外側へ移動する。
しずく「バリコオルの特性は“バリアフリー”です!! 展開解除自由自在ですから、自分が通る部分だけ解除してすり抜けることも出来ますし、再展開もすぐ出来ます!!」
せつ菜「く……!」
しずく「“バリアー”を解除したいなら……!! まずは私たちを倒すことですね!!」
そう言いながら、私はかすみさんの手を引き、峡谷の細道を曲がる。
しずく「次は……こっち……!」
かすみ「み、道知ってるの……!?」
しずく「出来る限りの下調べは徹底的にしたから……! 今はとにかくせつ菜さんを奥に誘い込むよ!」
かすみ「なんで!?」
しずく「広いフィールドで戦うと絶対に力負けするから! 少しでも、複雑な地形で搦め手を使わないと勝ち目がないって話!」
かすみ「ぐぬぬ……悔しいけど、確かにせつ菜先輩を真っ向から倒すのはきついかも……」
せつ菜さんはただでさえ強いのに……彼女が今使っているのはウルトラビースト。しかも、私の認識が間違っていなければ、せつ菜さんが持っているウルトラビーストの数は3体だ。
かすみさんは以前に比べたら信じられないほど強くなったし、性格的に真っ向勝負で戦いたいかもしれないけど……相手はあのせつ菜さん。勝率を少しでも上げるために策を弄する必要がある。
幸いここら一帯の地形は頭に叩き込んだ。複雑な峡谷の道をかすみさんの手を引きながら突っ走る。
しずく「……はぁ……はぁ……もうちょっと奥まで引っ張りたい……けど……」
ある程度走って、せつ菜さんと距離を離したところで、
かすみ「しず子……!」
かすみさんが足を止めて、私の顔を覗き込んでくる。
しずく「ん? なに?」
かすみ「ホントにホントに……フェローチェのこと……もう大丈夫なの?」
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