469: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/31(土) 12:28:35.56 ID:8UVAxvmj0
涙で滲む視界の向こうで──
しずく「…………本当に……強く、なって……ここまで来たんだね……」
しず子が……笑っていた。いつもの、あの笑顔で……。
かすみ「しず……子……?」
が、そのとき、
「──ズガドーン!! “シャドーボール”!!」
「──ガドーーーンッ!!!!」
聞き覚えのある声が響くと同時に──後ろに向かって思いっきり引っ張られる。
かすみ「わっ!?」
何かと思ったら──
「カインッ!!!!」
私を引っ張ったのはジュカインで──今の今まで私が居た場所を、特大の“シャドーボール”が通り過ぎていく。
かすみ「い、今の……!?」
距離を取って顔を上げると──
せつ菜「……しずくさん、無事ですか」
「…ガドーンッ」
かすみ「せつ菜……先輩……」
せつ菜先輩がズガドーンを携えて、しず子に手を差し伸べていた。
しずく「……ありがとうございます」
せつ菜「貴方の全力見せてもらいました。ですが、それよりも彼女は強い……。……なので、約束どおり……ここからは私が助太刀します」
「ガドーン…」
かすみ「……っ!」
せっかくしず子を連れ戻せそうだったのに……こんなところで、せつ菜先輩が割って入ってくるなんて……!
さすがにこの状況で2対1になるのは分が悪すぎる……。
しずく「……せつ菜さん、ありがとうございます。出てきて、バリコオル」
「…………」
しず子がせつ菜先輩の手を取って立ち上がりながら、バリコオルをボールから出す。
せつ菜「いえ、約束したので」
しずく「そうですか……。……ごめんなさい」
せつ菜「……? 何故、謝るんですか?」
しずく「……せつ菜さんが……本当に優しい人で助かりました」
せつ菜「……? なに言って……」
直後──せつ菜先輩の背後に……高い高い“リフレクター”と“ひかりのかべ”の二重の障壁が出現する。
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