465: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/31(土) 12:24:05.64 ID:8UVAxvmj0
そして、そのままダストダスの腕を凍らせ、地面に縫い付けるようにして動けなくする。
が──氷漬けにされながらも、ジュウジュウと音を立てながら、ダストダスの腕の氷が溶けはじめる。
しずく「……! ツンベアー下がって!」
「ベァァァッ」
異変を察知して、ツンベアーがダストダスの腕から離れると同時に──ダストダスの腕の氷が完全に溶け自由になり、
かすみ「“ロックブラスト”!!」
「ダストダァッ!!!」
ダストダスが、手の平の先をツンベアーに向け岩を発射しようとした瞬間、
しずく「……ふふ♡」
しず子がその間に割って入ってくる。
「ダ、ダストダァ…」
ダストダスは困った表情になり、攻撃を止めてしまう。
かすみ「……腕、戻して」
「ダストダ…」
ダストダスが私の指示に従って、伸ばした腕を戻す。
しずく「あれ? もう終わり? なんだ、つまんないなー♡」
かすみ「ねぇ、しず子」
しずく「ん?」
かすみ「これが……本当にしず子の望んだことなの……?」
しずく「そうだよ?」
かすみ「自分を盾にして……そんな無茶苦茶な戦い方してでも……しず子がそこまでして戦う理由は何……?」
しずく「果林さんにフェローチェを魅せてもらうためだよ♡」
私はギュッと拳を握る。
かすみ「……しず子……いっつも、かすみんが危ないことしたら叱ってくれたじゃん……。……なのに、なんでそのしず子がこんな戦い方するの……」
しずく「なんでって……当たり前でしょ? ──あんなに美しいポケモンを魅せてもらえるんだよ?♡」
かすみ「…………っ」
──そのとき、わかってしまった。
もう……私の知っているしず子は……いないんだ。
誰よりも真面目で、誰よりも優しくて、誰よりも努力家で、いっつもお小言を言いながら……それでも私の傍にいてくれたしず子は……もう、いないんだ……って。
はる子が言っていた……毒が回りすぎると……もう治療出来ないって……。つまり、しず子は……もう……私が助けたところで……。
それがわかった途端──
かすみ「……ぅ……ひっく……っ……」
涙が出てきた。
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