440: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/30(金) 14:42:48.47 ID:loIPccok0
彼方「……前に、千歌ちゃんが言ってたんだ。攻撃には……芯があるんだって」
姫乃「な、なに言って……」
彼方「千歌ちゃんは攻撃の芯を相手に的確に当てることによって、必殺の一撃を繰り出すんだってさ」
姫乃「だ、だから……!! 何を言っているんですか、貴方は……!?」
彼方「……でも、わたし思ったんだよね。芯があるのは攻撃だけじゃないんじゃないかな〜って。……防御にも芯はあるんじゃないかって」
ポケモンにとって最も効率的に攻撃を通せる芯があるように──防御にも、最も効率よく防御を通せる芯があるんじゃないかって。
彼方「なんか今……それが見える気がするんだ」
姫乃「そ、それ以上近寄らないでください……!! ツンデツンデ!! “ジャイロボール”!!」
「ツンデ」
ツンデツンデが丸い形に石垣を構築しなおし、高速で回転しながら、飛び出してくる。
猛スピードで転がってくるツンデツンデに対し、すっと指を真っすぐ前に出し、そこに向かって、
「コァッ!!!」
ネッコアラが──ど真ん中を叩くように、“ウッドハンマー”を振るうと、
「──ツンデ…!!」
体格差が嘘のように、ツンデツンデが野球ボールのように後ろに弾き返される。
姫乃「嘘……嘘嘘嘘です、こんなの……」
彼方「……相手をよく見て、相手のことを考えて、的確に防御を置き続ける……」
姫乃「て、テッカグヤ!! “ロケットずつき”!!」
「────」
テッカグヤがバーナーを逆噴射し──頭をこちらに向けて真っすぐこっちに突っ込んでくる。
彼方「……きっと、わたしにしか出来ない……みんなのことをたくさん見てるから、みんなの言葉にたくさん耳を傾けてるからこそ、出来る強さなんだ」
スッと指を前に差す。
──ガァァァァァンッ!!!! という音と共に──コスモウムが、テッカグヤの突進を真正面から押し止めた。
テッカグヤは今もバーナーから噴射の推進力で前に進んでいるはずなのに、コスモウムは微動だにしない。
姫乃「……反則……です……」
それを見て、姫乃ちゃんがへたり込む。
彼方「だから、わたしの防御は、人に寄り添う優しさを強さに変えた絶対防御。あーでも……それで言うなら、彼方ちゃん……まだまだかもなぁ〜……」
姫乃「え……?」
彼方「だって……姫乃ちゃんが果林ちゃんの邪魔をする人が許せないように……彼方ちゃんも──遥ちゃんを傷つける人は絶対に許さないから。そこはまだ、優しく出来ないや」
コスモウムによって噴射をしながら空中で止まってしまったテッカグヤの頭を──カビゴンがガシリと掴んで、振り上げる。
姫乃「あ……あ……っ……」
そしてそれを思いっきり──
彼方「反省してね……“ばかぢから”!!!」
「カビッ!!!!」
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