437: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/30(金) 14:41:00.41 ID:loIPccok0
彼方「はーい、それじゃあーん♪」
「メェ〜」
彼方「あ、こらこら、ウールーには後でちゃんとあげるから。これはお母さんの分」
「メェ〜」
彼方母「ふふ♪ 別にウールーにあげてもいいわよ?」
彼方「いいの〜これはお母さんの分だから。はい、あ〜ん♪」
彼方母「あーん」
彼方「おいしい〜? その出汁巻き卵、自信あるんだけど〜」
彼方母「うん♪ すっごくおいしい♪ かなちゃんまた腕を上げたね〜」
彼方「えへへ〜そうでしょ〜。お母さん絶対この味好きだろうな〜って作ったから〜」
彼方母「うん。かなちゃんの優しさがたくさん詰まってて……おいしい。かなちゃんは誰かの心に寄り添える子だから、きっと料理が向いてるんだね」
彼方「て、照れちゃうな〜……でも、本当にそうなら嬉しい……えへへ♪」
彼方母「でも、すっかりお母さんよりも料理上手になっちゃって……そこはお母さんちょっと寂しい……」
彼方「ええ〜? お母さんに比べたら、まだまだだよ〜……お母さんの料理からまだたくさん盗みたいから、早く退院して戻ってきて欲しいな〜。そうだ! 退院したらピクニックに行こうよ〜♪ 遥ちゃんと3人で〜♪」
「メェ〜」
彼方「あ、ごめんごめん……もちろんウールーも一緒だよ〜」
「メェ〜」
そう言いながら、お箸で次のおかずを取ろうとすると、
彼方母「かなちゃん」
お母さんがわたしの名前を呼ぶ。
彼方「んー?」
彼方母「……お母さんね──もう……長くないんだって」
わたしの手が止まる。
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20