429: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/30(金) 14:30:05.38 ID:loIPccok0
エマ「きゃぁぁぁぁ……!? え、エルフーン!!」
「──エルッフ!!!」
エマ「“わたほうし”!!」
「エルフーー」
吹き飛ばさながらも咄嗟に出したエルフーンが、周囲に綿毛をまき散らし──その綿毛に包まれたまま、地面に墜落する。
ただ……衝撃を殺しても、あまりに勢いが強かったからか、
エマ「あ……ぐ……ぅ……」
身体を強く打ち付け、痛みに悶える。
「エ、エルフ…」
エマ「だ、大丈夫……だよ……」
心配そうに鳴くエルフーンを撫で、痛みに耐えながら身を起こすと──目の前は先ほどまで峡谷だったとは思えないような光景になっていた。
岩壁が消滅し、大地は爆弾でも落下したかのように、大地が割れ砕けていた。
結構な距離を吹き飛ばされたのか──離れたところにテッカグヤとツンデツンデの姿が見え……砕けた岩の隙間に──彼方ちゃんが倒れているのが見えた。
エマ「か、彼方ちゃん…………!!」
助けに行こうと立ち上がろうとして、
エマ「いた……っ……!!」
強烈な痛みを足に覚え、わたしはその場に転んでしまう。
痛みの場所に目を向けると──足首が赤く腫れていた。ずきずきと痛む足……よくて捻挫……最悪、骨が折れているかもしれない。
エマ「彼方ちゃん……っ……」
今すぐにでも助けに行きたいのに、わたしの身体は言うことを聞いてくれなかった……。
🐏 🐏 🐏
──薄っすらと目を開けると……空が見えた。
彼方「……さ、すがの彼方ちゃん……も……死んだと、思った……ぜ〜……」
2匹の落下の衝撃で吹っ飛ばされ、砕けた岩石が降り注ぐ中──彼方ちゃんはどうやら奇跡的にその間にすっぽり嵌まる形で助かったらしい。
それに加えて……。
「マ、マァ〜ン…」
ママンボウの粘液が、私を守ってくれたらしい。
彼方「ありがとう……ママンボウ……水がなくて、苦しいかもしれないけど……ちょっと、休ん、でて……」
「マ、マァン…」
よろよろと身を起こす。全身が壊れそうに痛むけど、
姫乃「……本当に悪運の強い人ですね」
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