427: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/30(金) 14:26:31.96 ID:loIPccok0
直後──テッカグヤのバーナーの先に周囲の岩石を引き寄せるような、重力の球のようなものが集束され始める。
姫乃「もう……誰も……果林さんの邪魔……しないでください……お願いだから……。……果林さんの邪魔をするなら──消えてください。テッカグヤ、“メテオビーム”」
「────」
集束された球から──極太のビームがわたしに向かって一直線に降ってくる。
エマ「……あ」
気付いたときにはもう逃げることも出来ず、頭が真っ白になる。
彼方「──コスモウムッ!!! “コスモパワー”ッ!!!」
「────」
直後、炎の向こうから飛び込んできた彼方ちゃんが、コスモウムの技で“メテオビーム”を受け止め、それによって拡散したエネルギーが空中で大爆発する。
エマ「きゃぁ……!!」
彼方「ムシャーナぁ!! “ひかりのかべ”ぇ!!」
「ムシャァーー!!!」
そして、爆発の衝撃をムシャーナが壁を作り出して、防いでくれる。
エマ「か、彼方ちゃん……」
彼方「はぁ……はぁ……ま、間に合った……」
エマ「か、彼方ちゃん、火傷してる……!!」
気付けば、彼方ちゃんは服のあちこちが焼け焦げ、脚は痛々しく赤く腫れている。
わたしを助けるために、炎の海を突っ切ってきたからだ……。
エマ「ママンボウ……!」
「マ〜ンボゥ」
ママンボウが彼方ちゃんの患部に身を寄せる。ママンボウの体を覆う粘液には、傷を治す効果がある。
エマ「ごめんね、彼方ちゃん……わたしのせいで……」
彼方「これくらい掠り傷だよ〜……エマちゃんこそ、無事……?」
エマ「う、うん……」
彼方ちゃんは私の安否を確認すると、
彼方「……姫乃ちゃん。今の組織は非戦闘員にまで執拗な攻撃をするようになってるの?」
そう言いながら、姫乃ちゃんを睨みつける。普段温厚な彼方ちゃんにしては珍しく……わたしでもわかるくらいに怒気の込められた声だった。
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