426: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/30(金) 14:25:09.51 ID:loIPccok0
エマ「……っ! パルスワン、一旦引き返そう……!」
「ワンッ」
すぐに戻って別の道を進むように指示を出すけど──振り返った瞬間、
エマ「きゃぁっ!!?」
──ゴォっと音を立てながら、炎が降ってきて、私たちの進路を炎の海にする。
そして、その上空から、
姫乃「……さぁ、もう逃げ場はありませんよ……」
姫乃ちゃんが見下ろしながら、私に言葉を投げつけてくる。
エマ「……ま、ママンボウ! “みずびたし”……!」
「──ママ〜ンボ」
ママンボウをボールから出して消火するけど──
姫乃「“かえんほうしゃ”」
「────」
エマ「きゃぁ……!?」
消火した傍から、また炎をばら撒かれる。
姫乃「……逃がしませんよ」
エマ「……っ」
どうして、姫乃ちゃんはわたしを狙うの……? まさか、彼方ちゃん……。
姫乃「彼方さんは無事ですよ」
エマ「……!」
姫乃ちゃんはまるでわたしの心を見透かしたように言う。
姫乃「……どうして自分が狙われているのか理解できないようですが……。……この場に訪れたのを見た瞬間から、わたしの狙いは貴方でしたよ」
エマ「ど、どうして……」
姫乃「どうして? それは、貴方が果林さんにしてきたことを考えれば当然でしょう?」
エマ「え……?」
姫乃「言葉巧みに果林さんを惑わして……目的遂行の邪魔をする……本当に腹立たしい……」
エマ「ち、違うよ……! わたしがここに来たのはそんな理由じゃない……!」
姫乃「なら何故、果林さんの邪魔をするんですか?」
エマ「邪魔……? むしろ、どうしてあなたは果林ちゃんを戦わせようとするの!? 果林ちゃん、あんなに苦しそうにしてるのに……! あなたたちが果林ちゃんに無理やり戦うことを強要するから、果林ちゃんはずっと一人で背負ったまま苦しんで──」
姫乃「──貴方に果林さんの何がわかるんですかッ!!!」
エマ「……!?」
心の底から怒気の籠もった言葉に、ビクリと身が竦む。
姫乃「可哀想……? 苦しんでる……? 貴方は果林さんの苦しみも、悲しみも、怒りも、憤りも、やるせなさも、何一つ理解していない……!! だから、そんな言葉が出るんです!!」
エマ「な、なに言って……」
姫乃「……果林さんの……覚悟も……知らないくせに……」
「────」
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