419: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/30(金) 14:13:24.35 ID:loIPccok0
彼方「はぁ……はぁ……え、エマちゃん……?」
エマ「……彼方ちゃん、わたし……足手まといだよね……」
彼方「え……? そ、そんなこと……ないけど……」
エマ「うぅん、わたしがいるから彼方ちゃんが全力で戦えてないことくらいわかるよ」
彼方「…………」
エマ「たぶんだけど……向こうもわたしが戦力じゃないことには気付いてるよね」
彼方「……そうだね」
エマ「なら、わたしのことはそんなに積極的に狙ってこない……はずだよね」
彼方「それは……そうかも、しれないけど……」
確かに向こうからしたら、出来る限りこっちの戦力を削ることに注力したいはず……。
姫乃ちゃんが一番困るのは、彼方ちゃんが侑ちゃんたちのところに戻って、果林ちゃんとの戦闘に加勢をすることのはずだし……。
戦えないエマちゃんの優先度は一番低くなるはずだ……。
エマ「なら、わたしはここから先は一人で逃げるから……彼方ちゃんは戦って……!」
彼方「え、で、でも……」
エマ「悔しいけど……わたしには戦う力がないから……。でも、彼方ちゃんには戦う力がある……それなら、彼方ちゃんの力はわたしを守るよりも、戦いに使うことに集中して欲しい……」
彼方「エマちゃん……」
確かにこの峡谷の中、迷わずに走り抜けられるなら、むしろエマちゃんが一人で逃げて、わたしが足止めを兼ねて戦闘に集中した方が効率がいいかもしれない。
彼方「……わかった。でも、絶対途中で引き返したり、一人で果林ちゃんを説得に戻ったりしちゃダメだよ? 約束してくれる?」
エマ「うん、約束する」
彼方「おっけ〜! なら、彼方ちゃん、すぐに姫乃ちゃんを倒してくるから……!」
エマ「うん!」
エマちゃんは、カビゴンが抱えていたママンボウをボールに戻し、
エマ「出てきて! パルスワン!」
「──ワンッ!!!」
代わりにパルスワンを出す。
エマ「彼方ちゃん、気を付けてね……!」
彼方「うん! エマちゃんも」
エマ「Grazie♪ パルスワン! Andiamo.」
「ワンッ!!!」
エマちゃんはパルスワンに乗って走り出した。
彼方「さて、それじゃ……彼方ちゃんもやりますか〜……!」
振り返ると、
姫乃「──やっと……戦う気になりましたか」
「────」
追い付いてきた姫乃ちゃんがテッカグヤの上から、こちらを見下ろしていた。
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