408: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/29(木) 18:35:05.75 ID:qt5/exVx0
エマさんが無防備に手を広げた、そのとき──エマさんの頭上に、巨大な物体の影が差した。
「──テッカグヤ!! “ヘビーボンバー”!!」
「────」
エマ「っ!?」
彼方「エマちゃん!!」
咄嗟に彼方さんがエマさんを押し倒すように飛び付き、今しがたエマさんが居た場所に──落ちてきた巨体が轟音を立てながら、大地を割り砕く。
リナ『あわわ!?』 || ? ᆷ ! ||
侑「うわぁっ……!!?」
「イブィッ…!!?」
目の前で大地が割れ砕け、巻き込まれそうになった瞬間──後ろにグイっと引っ張られる感覚。
「──カインッ!!」
かすみ「侑先輩!? 平気ですか!?」
侑「かすみちゃん!?」
「ブイッ!!?」
気付けば、かすみちゃんのジュカインに抱きかかえられる形で、割れ砕ける大地から離脱する。
でも──エマさんたちは、今の攻撃に巻き込まれてる……!
侑「っ……!! エマさんっ!! 彼方さんっ!!」
エマさんと彼方さんの名前を呼ぶけど──巻き起こる砂塵のせいで、二人の姿を確認出来ない。
一方──砂塵の中に、巨大なポケモンの影が見える。そして、その中から声が響く。
姫乃「果林さん!! その女の言葉を聞いてはいけません!!」
果林「ひ、姫乃!?」
姫乃「こいつらは、その女が果林さんと繋がりがあるのを知った上で、果林さんを惑わすために連れてきた……!! これは敵方の策略です!! その女の言葉を聞いてはいけませんっ!!」
姫乃と呼ばれた女の子の声が響き渡る。
──私たちの知らない敵がいる……!?
エマ「──惑わす!? 作戦!? 違うよ!? あなたはなんで果林ちゃんに戦わせようとするの!?」
侑「……!」
砂煙の中から響くエマさんの声……! エマさんは無事だ……!
姫乃「黙りなさい……!! テッカグヤ!!!」
「────」
テッカグヤと呼ばれた巨大のポケモンの影が巨大な手を振り上げ──音を立てながら崩れる大地にダメ押しをするように、叩きつけた。
エマ「──きゃぁぁぁぁぁっ!?」
彼方「エマちゃん……っ!!!」
轟音の中響くエマさんの悲鳴と、彼方さんの声。
そして、ガラガラと地面が崩れ落ち──砂塵が落ち着いた頃には……先ほどまであった広場の3分の1ほどが、崩落してしまっていた。
そこにエマさんと彼方さんの姿は無く──テッカグヤと呼ばれていた巨大なポケモンと、姫乃と呼ばれていた女の子の姿もなかった。
恐らく、崩落に巻き込まれた二人を追撃しに行ったんだ……!
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