390: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/28(水) 11:39:42.71 ID:bMcrfVdQ0
指示を出すと、ウォーグルはすぐにパールルを放す。
放したパールルに彼方さんが駆け寄って貝殻の表面を撫でる。
彼方「んーっと……」
侑「ご、ごめんなさい、彼方さん……パールル……大丈夫ですか……?」
彼方「うん。すぐ止めてくれたから大丈夫だよ〜。ちょっとヒビが入っちゃってるけど……しばらくすれば、自然治癒するはずだから〜」
侑「ならよかった……」
ホッと安堵の息を吐く。
彼方「それにしても、侑ちゃん……すっごく強くなったね〜。前はパールルの殻に全く歯が立たなかったのに〜……」
彼方さんの言うとおり……前にこの浜辺で稽古を付けてもらったときは、まるで歯が立たなくて、3匹掛かりでどうにか攻略したのに……今はウォーグル1匹のパワーで殻にヒビを入れてしまった。
彼方「本当に、あのときのひよっこトレーナーがこんなに強くなるなんてね〜」
侑「あはは……確かに、あのときは本当にひよっこって感じでしたよね……」
そのせいで、歩夢とすれ違っちゃったんだっけ……。なんかもう、懐かしい気さえしてくる。
彼方「でも、本当に強くなった……彼方ちゃんも師匠として鼻高々だよ〜。あ、でも……教えてたのはちょっとだし、師匠なんて言うのはおこがましいかな……」
侑「そんなことないです! 私、彼方さんがいなかったら絶対にここまで強くなれませんでした。あのとき、彼方さんに教えてもらったお陰で、今の私があるんです!」
彼方「あ〜もう〜! 侑ちゃんったら〜、可愛いこと言ってくれるな〜うりうり〜♪」
侑「わわっ、や、やめてくださいよ〜。く、くすぐったい〜」
彼方「ふふ、そんな侑ちゃんでも、この子の防御は破れないだろうけどね〜」
「────」
そんな風に言う彼方さんのすぐ傍には、コスモウムが浮いている。
侑「はい……コスモウムって本当に硬いんですね……」
すでに何度か挑戦しているけど……まさに規格外の硬さで今の私たちでも歯が立たない。
彼方「ふふふ〜宇宙一硬いよね〜この子〜」
「────」
コスモウムは無表情のまま、ゆったりと私の周囲をくるくると回り始める。
彼方「あはは、壊せるものなら壊してみろ〜って言ってるのかも〜」
侑「む……じゃあ、チャレンジするよ……! イーブイ! ウォーグル!」
「ブイ!!!」「ウォーー!!!」
私が2匹を構えると、コスモウムは余裕の表れなのか、その場でゆったりと回転し始める。
彼方「ふふ、コスモッグのときを思い出すな〜。その子、“なまいき”な子だったから〜」
侑「私たちの本気で殻が割れても怒らないでよ?」
「ブイブイッ」「ウォーグッ」
「────」
私を煽ってくるコスモッグに向かって、攻撃をしようとしたそのとき、
エマ「二人とも〜おやつの時間だよ〜♪ 休憩にしよ〜♪」
エマさんに呼ばれる。
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