384: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/28(水) 11:34:16.25 ID:bMcrfVdQ0
それを託されたエマちゃんは……。
エマ「彼方ちゃん……?」
彼方「わかった。今から海未ちゃんにお願いしてみよう」
エマ「いいの!?」
彼方「うん。もしかしたら……エマちゃんなら本当に……果林ちゃんを説得出来るかもしれないから……」
🐏 🐏 🐏
海未『……なるほど……それで彼女を同行させたいと……』
わたしたちはあの後すぐに、海未ちゃんに連絡を取り、無理を言って話をする時間を作ってもらった。
彼方「……もし戦わずに済むなら、それ以上のことはないと思うんだ」
海未『それは確かにそうですが……』
エマ「わたしが絶対果林ちゃんを説得してみせます……だから……」
海未『…………』
彼方「エマちゃんはわたしが警護するって条件でもダメかな……? 果林ちゃんはあの場での責任者みたいなものだから……果林ちゃんを説得しさえすれば、それで全部収まるかもしれないし」
海未『賭けてみる価値はある……ということですか……。……確かに今は猫の手も借りたい気持ちですが……』
エマ「お願いします……!」
海未『……ですが、エマさん。貴方は一般人ですし……いくら彼方が警護すると言っても……』
エマ「わ、わたしもいざとなったら、ポケモンと一緒に戦えます……!」
海未『…………』
海未ちゃんはモニター越しに困った顔をして黙り込む。たぶん……説得が出来るなら、本当にそれに越したことはないけど、そもそも危険な場所にエマちゃんを送り込むということ自体がネックなんだと思う。
エマちゃんも確かにポケモンは持っているけど、さすがに侑ちゃんやかすみちゃんのような実力はない。
リーグ側から侑ちゃんやかすみちゃんに、すごく厳しい条件を出した手前っていうのもあるだろうし……。
ただ、そんな中でわたしたちに助け船を出してくれたのは、
侑「──……私は戦わなくて済む方法があるなら、それに越したことはないと思います」
そう言いながら、お部屋の中に入ってきた侑ちゃんだった。
彼方「ゆ、侑ちゃん……!?」
侑「ごめんなさい……彼方さん、なかなか帰ってこなかったから……。牧場の人に訊いたら、ここにいるって言われて、案内してもらって……。そうしたら、中から話が聞こえてきたので……」
エマ「ご、ごめんね……! 彼方ちゃん、侑ちゃんと一緒に修行してたんだよね……」
侑「いえ、それよりも……エマさんが果林さんを説得出来るなら、私はそれに越したことはないと思います」
海未『侑……貴方はいいのですか?』
侑「私とかすみちゃんは、最初から戦うことを前提で作戦に参加するつもりでしたけど……エマさんはあくまで説得のために同行するんですよね? そういうことなら、かすみちゃんも反対しないと思います。元より……私たちは戦いたいわけじゃないので……」
確かに、わたしたちの目的は戦うことではない。
攫われた歩夢ちゃんたちを取り戻すことが最優先だ。
あくまで戦闘は、そのための手段でしかない。
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