376: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/28(水) 11:26:45.35 ID:bMcrfVdQ0
私は頷きながら──胸に抱いていたマナフィを、浜辺に下ろす。
侑「マナフィ、ありがとね」
「フィ〜」
侑「本当は遺跡のある場所まで、送ってあげたかったんだけど……」
「フィ〜」
私の言葉に、マナフィはふるふると首を横に振ったあと──背後の波に浚われるようにして、海へと還っていく。
マナフィは手を振りながら、どんどん遠ざかっていく。
侑「またいつか、会いに行くねー!!」
「フィ〜〜〜」
私の言葉に返事をするように鳴いたあと、海に潜って──マナフィの姿は見えなくなった。
侑「マナフィ……大丈夫かな……。ちゃんと帰れるかな……」
果南「大丈夫だよ。帰巣本能があるし……なにより野生のポケモンは逞しいから」
侑「……はい」
果南「そんなに心配なら、全部が終わったあと、またあの海底神殿に行ってみよっか♪」
侑「はい! そのときはまたお願いします」
果南「うん! 任せて♪」
果南さんはニコニコしながら答えてくれる。
そして、そんな私たちのもとに、
彼方「マナフィ、行っちゃったね〜」
かすみ「意外とあっさり行っちゃいましたね……」
後ろで見守っていた、かすみちゃんと彼方さんが歩いてくる。
かすみ「でも……侑先輩、よかったんですか? せっかく、マナフィと仲良くなれたのに……」
侑「うん。マナフィには最初から、少しの間、手伝って欲しいって約束で来てもらってただけだし……それに、私にはフィオネがいるから」
私の手持ちはもうすでに6匹、ちゃんと決まっている。
マナフィにしか出来ないことは、もうしてもらったから……あとは、私が仲間たちと一緒に戦う番だ。
かすみ「まあ、侑先輩がそう言うなら……」
彼方「かすみちゃんはやぶれた世界班であんまりおしゃべりできなかったから、マナフィちゃんともうちょっとおしゃべりしたかったんだよね〜?」
かすみ「も、もう……彼方先輩、余計なこと言わないでいいですから〜……」
侑「ふふ、じゃあ全部終わったら、かすみちゃんも一緒にマナフィに会いに行こう」
かすみ「……はい! 約束ですよ? あ、もちろんそのときは──」
侑「歩夢としずくちゃんも一緒に、だよね!」
かすみ「はい♪」
「ブィ〜…」
侑「もちろん、イーブイも一緒だよ♪」
「…ブィ♪」
和やかな雰囲気の中、
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