373: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/28(水) 11:21:47.53 ID:bMcrfVdQ0
■Chapter061 『決戦へ向けて』 【SIDE Yu】
──翌日。
海未さんからの次の指示を待つ間に──
理亞「……侑、お願い」
侑「はい。マナフィ、“ハートスワップ”」
「フィ〜♪」
マナフィの触角の先がぽわぁと光り、理亞さんが手に持っていたピンクダイヤの欠片から虹色の光が飛び出して──
聖良「…………」
理亞さんのお姉さん──聖良さんの身体の中へと入っていく。
すると……先ほどまで目を見開いたまま虚空を見つけていた聖良さんの目が動き──
聖良「…………り………………ぁ………………?」
掠れるような声で、理亞さんの名前を呼んだ。
理亞「……! ねえさま……っ……」
そんな聖良さんを見て、理亞さんが目に涙を浮かべながら、聖良さんに抱き着く。
聖良「…………こ……こ…………は………………?」
真姫「ローズシティの病院よ。その調子だと……意識ははっきりしているようね」
真姫さんの言葉を聞き、聖良さんは首を縦に振る。
真姫「当分は声が出せないと思うわ。……なんせ、3年も眠っていたんだからね……」
聖良「……そぅ…………で、……すか…………」
理亞「ねえさま……今はまだ、無理に喋らなくていいから……。ゆっくり、リハビリすれば、きっと元気になれるから……」
理亞さんの言葉を聞くと、聖良さんは細い腕で理亞さんの頭を優しく撫でる。
そして理亞さんは……本当に愛おしそうに聖良さんを抱きしめる。
真姫「……あとは、二人きりにしてあげましょう」
侑「……はい。行こっか、マナフィ」
「フィ〜♪」
私はマナフィを抱き上げて、病室を後にしたのだった。
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