362: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/27(火) 11:55:15.99 ID:0yMsBTVK0
善子「仮にこんな風に無理やり穴を空けたんじゃなかったとしても、徐々に表面のゴムが劣化し、目に見えないような小さな穴が空いていってどんどん萎む速さは加速していく。これと同じようなことが起こってるってわけ」
彼方「あの〜……エネルギーが抜けていっちゃうってことはわかったんだけど〜……それが起こるとどうして彼方ちゃんたちの世界は住む場所がなくなっちゃうの〜……?」
リナ『エネルギーが失われると、最終的には分子間力も失われていく。そうすると物質は結合を保てず原子レベルでバラバラになるし、そうすると大地は崩れ落ちて、空気や水は生物にとって有毒なものになる』 || ╹ᇫ╹ ||
彼方「えっと……?」
鞠莉「イメージしづらいかもしれないけど……そもそも、エネルギーがないと物体は存在出来ないって話かな」
善子「これ以上は専門知識がないと説明出来ないから、そういうものとしか言えないわね……」
彼方「とりあえず、彼方ちゃんたちの世界はそれが理由でどんどん住めなくなっちゃったってことだね〜……」
リナ『その理解で概ねあってる』 || ╹ ◡ ╹ ||
やっとなんとなくだけど……意味がわかってきたかな……?
そんな中、ヨハネ博士が次の話題を切り出す。
善子「んで……。……なんで、それで私たちの世界を滅ぼすと、そっちの世界が救われるの?」
リナ『ある世界のエネルギーが流出したら、流出したエネルギーは次にどこに行くと思う?』 || ╹ᇫ╹ ||
善子「え?」
質問を質問で返され、ヨハネ博士は顎に手を当てて考え始める。
善子「ウルトラスペースに流出して……ウルトラスペース中にエネルギーが充満する……?」
リナ『充満したエネルギーは何に使われると思う?』 || ╹ᇫ╹ ||
善子「…………そういうことか。……世界がエネルギー流出によって委縮したら、それによってウルトラスペース内に溢れた余剰エネルギーで──……新しい世界が生まれる」
リナ『そういうこと。そうやってウルトラスペース内でエネルギーは循環してる』 || ╹ᇫ╹ ||
鞠莉「なるほどね……新しくてエネルギーが豊富に溢れている後発の世界から、無理やりエネルギーを流出させて滅ぼしちゃえば……ウルトラスペース内にエネルギーが溢れかえることになる……」
善子「自分たちの世界の周辺に溢れるエネルギーが増えれば、ウルトラスペース内のエネルギー圧が大きくなるから……自分たちの世界の萎縮を遅らせることが出来る……。理屈はわかった……でも、それってキリがないんじゃない? 周辺の自分たちのものより新しい世界を片っ端から滅ぼし続けないといけないわよ?」
リナ『でも、私たちの世界の上層部はそれを実行しようとしている。だから、私と愛さんはずっと反発してた』 || 𝅝• _ • ||
鞠莉「Oh...crazy...」
善子「もう貴方たちの世界自体になりふり構ってる余裕がないってことね……」
リナ『そういうこと』 || ╹ᇫ╹ ||
リナちゃんや博士たちによる難しい話に対して、海未さんが発言する。
海未「……恐らくなのですが、今の話の大半はあくまで理論の話ですよね? 重要なのは彼らの世界にエネルギーを取り戻すためには、他の世界からエネルギーを消失させる必要がある……という理解でよろしいでしょうか」
リナ『うん、それであってる』 || ╹ ◡ ╹ ||
海未「では、彼女たちは具体的にどのようにして他世界を滅ぼそうとしているんですか? 先ほどの“ふうせん”の例えどおりに考えるなら……無理やり世界に穴を空けるということでしょうか?」
リナ『海未さんは理解が早い! それであってる!』 || > ◡ < ||
海未「ふむ……? では、どうやって穴を?」
リナ『それは簡単。もう私たちはウルトラスペースとこの世界の境界面に、穴が空く現象を既に見てる』 || ╹ᇫ╹ ||
リナちゃんの言葉を受けて、かすみちゃんが可愛らしく顎に人差し指を当てながら考え始める。
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