358: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/27(火) 11:49:10.20 ID:0yMsBTVK0
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──あの後、やぶれた世界から戻ってすぐに海未さんに連絡したところ、すでに用意が出来ていたようで、昨日借りていたセキレイの会議室へトンボ返りしてきた。
海未「まずは……無事にリナの記憶が戻ったと聞いて安心しています。ジムリーダーも四天王もあまり持ち場を離れられない状況なので……少人数での情報共有になってしまいますが……」
果南「その辺は海未がうまいこと纏めて、みんなに伝えてくれるんでしょ?」
海未「……他人事だと思って……」
果南「期待してるよ〜理事長〜♪」
海未「……はぁ……とりあえず、ここで得られる新しい情報を基に今後の方針を立てていくつもりです」
リナ『……まず、何から話せばいい?』 || ╹ᇫ╹ ||
海未「そうですね……まず確認になりますが……リナ、あなたはテンノウジ・璃奈さんということでいいんですか?」
リナ『確かに私はテンノウジ・璃奈を基に作られている。それは間違いない。でも、私がテンノウジ・璃奈だと言うのは正確じゃない』 || ╹ᇫ╹ ||
海未「正確じゃないというのは……?」
リナ『私はあくまでテンノウジ・璃奈の記憶と精神をベースに作られた劣化コピー品。大部分の記憶情報は元に戻ったけど、完全ではないし……何より肉体の情報は99.999%欠損したまま。人間にとって肉体の持っている情報量は大きい。だから、私を生物学的にテンノウジ・璃奈と断定するには、無理がある』 || ╹ᇫ╹ ||
かすみ「……なんか、リナ子がへりくつみたいなこと言ってる……」
リナ『屁理屈じゃない。生物として同じ個体と言うにはあまりに定義から逸脱してる。だから、私をテンノウジ・璃奈であるとするのはおかしいって話』 || ╹ᇫ╹ ||
彼方「あはは♪ その考え方、ホントにリナちゃんだ〜♪」
彼方さんはそう言って嬉しそうに笑う。
かすみ「……侑先輩、リナ子なんかちょっとめんどくさい感じになってませんか……?」
一方で、かすみちゃんは隣に座っている私に小声で耳打ちをしてくる。
侑「まあ……リナちゃん、研究者だって話だし……きっと、リナちゃんにとっては大事なことなんだと思うよ」
かすみ「そういうもんなんですかねぇ……」
善子「そういうもんよ。学者にとっては定義って大事なものだから」
私たちの話が聞こえていたのか、隣のヨハネ博士がかすみちゃんに向かってそう答える。
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