357: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/27(火) 11:48:21.75 ID:0yMsBTVK0
彼方「……! じゃあ、やっぱり……」
リナ『うん。……私の記憶は間違いなく、テンノウジ・璃奈を基に作られてる。ただ、私にわかるのは私が消えるまでのことまで。情報の補完がしたい。お話しするの、一緒に手伝って欲しい』 || ╹ ◡ ╹ ||
彼方「うん……! もちろん……っ」
頷きながらも、彼方さんの目には涙が浮かんでいた。
死んでしまったと思っていた、かつての仲間との再会だもの……無理もないよね。
そして……リナちゃんとの再会を喜ぶのがもう1人──うぅん、もう1匹。
私の腰に着けたボールがカタカタと揺れ、
「ニャァァァーーー!!!!!」
飛び出したニャスパーが、リナちゃんに飛び付いた。
「ニャァァァァ…ッ、ニャァァァ…ッ」
リナ『ニャスパー……びっくりしたよ。ここまで追いかけてきちゃったの?』 || ╹ ◡ ╹ ||
「ニャァァァ…」
彼方「え……じ、じゃあ、そのニャスパー……もしかして……」
侑「やっぱり……──リナちゃんのニャスパーだったんだね」
かすみ「え!? 嘘!?」
リナ『侑さん、知ってたの……?』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「確証は持てなかったけど……ニャスパーと一緒に旅するようになってから、ずっと不思議な夢を見てたんだ」
いつもすごく低い目線で、誰かを追いかけていた。そんな夢──
侑「あれは……ニャスパーの記憶だったんだ」
リナ『……ニャスパーはエスパータイプだから、寝てるときに思念が侑さんに流れ込んじゃってたんだね』 || ╹ ◡ ╹ ||
「ニャァァァ…」
リナ『侑さん、今までニャスパーと一緒にいてくれてありがとう。“おや”として、すごく感謝してる』 || ╹ ◡ ╹ ||
侑「うぅん、こちらこそ。ニャスパーにはすっごく助けられたから。ニャスパー、よかったね……やっと君を“おや”に会わせてあげられたよ」
「ニャァ…」
今になって考えてみると……ニャスパーは確信を持てないながらも、リナちゃんに何かを感じていたから、よく目で追っていたんだと思う。
善子「……ポケモンが“おや”を探して……他の世界から渡ってきたってこと……?」
鞠莉「驚きを隠せないわね……」
果南「……でも、まだ驚くようなことがたくさんあるんでしょ?」
リナ『うん。何から話せばいいかわからないくらいたくさんある』 || ╹ ◡ ╹ ||
果南「なら、まずは帰還しよう」
鞠莉「ええ、そうね。……これからのことを、話し合うためにも……」
私たちは、リナちゃんの記憶を取り戻し──やぶれた世界から帰還するのだった。
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