32: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/17(土) 16:01:24.75 ID:Lud+ZHkk0
私たちは階段を登り始める。
🎹 🎹 🎹
かすみ「──……ぜぇ……はぁ……も、もう……無理……脚、上がらない……」
「ガゥ?」
しずく「はぁ……なんかこうなる気はしてたんだよね……。はい、お水」
しばらく登っていくと、かすみちゃんがへばっていたので、階段に腰かけて一旦休憩になった。
ゾロアはまだ物足りないみたいだけど……。
歩夢「見て、侑ちゃん……! 見渡す限り雲しか見えないよ!」
「イブィ〜〜…!!!」
侑「うん……! 本当に雲海のド真ん中にいるみたいだ……!」
まさに見渡す限り雲の海しか見えない。
しずく「もう完全に雲の上ということですね……」
リナ『カーテンクリフの頂上が、だいたいグレイブマウンテンの頂上と同じくらいの標高って言われてる。だから、クリフの頂上から伸びてるこの先の祭壇は、オトノキ地方で一番高い場所って言われてるよ』 || ╹ ◡ ╹ ||
かすみ「へー……でも、こんな高い場所に、こんな長い階段どうやって作ったんですかね……?」
かすみちゃんが尤もな疑問を口にする。
しずく「それは今でも謎って言われてるみたいだよ。この石段はカーテンクリフの鉱物と違うから、下から切り出した石材って言われてるけど……」
かすみ「え……? 下からここまで運んできたの?」
リナ『だから謎って言われてる。どうやってこれだけの石材を運んだのかって』 || ╹ᇫ╹ ||
歩夢「だから、宇宙人が作った〜とか、神様が作った〜とか言われてるんだよね」
しずく「ですね」
侑「まあ、確かに……これだけのものを、この高さに作ったなんて言われても、信じられないもん……」
「ブィィ…」
今登っている真っ最中だと言うのに、人が作ったものとは到底思えない……。あ……いや、ポケモンが作った可能性もあるのかな?
しずく「さて……そろそろ、休憩終わりにしようか」
かすみ「えー!? まだかすみんくたくただよぉ……」
しずく「でも、登っている最中に夜になっちゃったら、階段で野宿だよ?」
かすみ「そ、それは嫌かも……。わかったよぉ……登ればいいんでしょぉ……」
「ガゥガゥ…♪」
しずく「ほら、頑張って」
しずくちゃんがかすみちゃんの背中を押しながら、登っていく。
そのとき、ふと──私の上に一瞬、影が差した。
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