3:名無しNIPPER[sage]
2022/12/16(金) 02:47:04.39 ID:eLOLjL7n0
尤も……私たちの目的は登頂ではないので、北側に近付くことはないんだけど……。
しずく「そろそろ、クマシュンの生息域に入ったと思うし……山登り自体はここまでかな」
かすみ「あとは見つけるだけだね!」
しずく「って言っても……ポケモン自体が少ないから、簡単には見つからないだろうけどね……」
ここまで登ってくる最中も、遭遇した野生ポケモンはバニプッチを1匹見かけた程度。
過酷な環境なこともあって、大きな山の面積に対して、ポケモンの数は圧倒的に少ない。
加えて……保護色になっているポケモンが多いため、目を凝らしていないと見落としてしまう。
生息域に入ったからと言って、そう簡単に遭遇出来るわけじゃ──
かすみ「あれ? あそこにいるのって、もしかしてクマシュンじゃない!?」
しずく「え……!?」
かすみ「ほら、あそこ」
かすみさんが指差す方向に目を凝らすと──確かに遠くの斜面に小さなシロクマのようなポケモンが歩いていた。
しずく「ホントだ……!? まさか、こんなにすぐに見つかるなんて……!」
かすみ「ふっふ〜ん、褒めてくれていいんですよ〜」
しずく「うん! すごいよ、かすみさん!」
かすみ「それで、クマシュン……捕まえるの?」
確かに、当初の目的ではクマシュンを会ってみたいと言って、グレイブマウンテンまでやってきたわけだけど……。
しずく「……うん! せっかくなら捕獲したい……!」
ここまで来て、せっかく野生のクマシュンに遭遇することが出来たわけだ。可能であれば、捕獲したい。
しずく「クマシュンは、臆病なポケモンだから……こっそり近付かないと……」
かすみ「それじゃかすみん、ここで待ってるね! 二人で動くと、見つかっちゃうかもしれないし……」
しずく「わかった、それじゃ行ってくるね」
かすみ「ここで見てるから頑張ってね、しず子!」
しずく「うん!」
かすみさんに見送られながら、雪を踏みしめて、クマシュンの方へと歩を進める。
一面が真っ白なせいで、距離感を測るのが難しいが……クマシュンのいる場所まで、恐らく十数メートルと言ったところ。
出来る限り音を立てないように努めながら、雪を踏みしめていく。
「クマァ…」
クマシュンは私にはまったく気付いていない様子で、座り込んだまま、雪を丸めて遊んでいる。
距離は十分に詰めた……!
しずく「出てきて、サーナイト……!」
「──サナ」
「クマ!?」
クマシュンがこちらに気付くが、この距離ならすぐ逃げられる心配はない。
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