2: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/16(金) 02:43:12.12 ID:eLOLjL7n0
■Chapter049 『雪山にて』 【SIDE Shizuku】
──事が起こったのは、かすみさんがヒナギクジム戦を終えた次の日のことだ。
かすみ「よーーっし!! それじゃ、グレイブマウンテン目指して、レッツゴ〜!!」
「ガゥガゥ♪」
しずく「その前に……ちょっと、じっとしてて」
かすみ「へ? なになに?」
しずく「これから行く場所は山だから……山は絶対に甘く見ちゃいけない場所」
かすみ「う、うん……」
しずく「だから──お守り」
私は、そう言ってかすみさんの髪の左側に──髪飾りを付けてあげる。
かすみ「これって……」
2つの三日月と星があしらわれた髪飾り。
しずく「これ、御守り。星や三日月は厄除けや幸運を呼び込む象徴として、グレイブマウンテンに登山する人が好んで身に着けるんだって♪」
かすみ「もしかして、買ってくれたの……?」
しずく「うん♪ 昨日、町を巡ってるときに見つけて……かすみさんに似合うかなって」
かすみ「……えへへ、嬉しい♪ ありがと、しず子♪ これがあれば、絶対遭難しないね!」
「ガゥガゥ♪」
しずく「ふふ、そうだね♪」
──登山にかこつけてプレゼントしたけど……歩夢さんが侑先輩から贈ってもらった髪飾りを見て、私も何かかすみさんに贈りたいと思ったというのが本音だ。
かすみさんには、感謝してもしきれないことがたくさんある。
だから、万が一何かがあったとしても、この月と星が、かすみさんを守ってくれればという願いを込めて……。
しずく「それじゃ、行こっか♪」
かすみ「うん! 今度こそレッツゴ〜!!」
「ガゥ♪」
💧 💧 💧
グレイブマウンテン登山を始めて、数時間。
かすみ「ふぅ……もう結構登ってきた?」
「ガゥ!!」
しずく「そうだね……一旦休憩しようか」
かすみ「うん」
雪の上に座ると濡れてしまうので、シートだけ敷いてから、二人で腰を下ろす。
かすみ「それにしても、思ったよりは登りやすいね。かすみん、もっとキツイの想像してたから、ちょっと拍子抜け〜……」
しずく「ヒナギクが面してる南側は、登山道があるからね。でも、北側から登るのはかなり過酷らしいよ」
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