294: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/25(日) 10:39:30.05 ID:PfMOWZim0
そのときには既に、タマンタの頭上に──大きな黒い影が降ってきていた。
曜『“アンカーショット”ォッ!!!』
「────」
「ダマ゙ッ!!!!!?」
真上からダダリンの巨大なアンカーを叩きつけられ──タマンタは海中に向かって沈んでいった。
曜『よっし!!』
善子『やればできるじゃない』
いくらタマンタが海水の動きで先読みを出来ると言っても──音自体が攻撃だった場合は無理だ。
水中での音速は地上の4倍。察知出来ても避けるなんて到底不可能。
一瞬でも“こんらん”によって動きが鈍れば、曜に捉えられないような相手じゃない。
さて──あとは、
「ゼルルルルッ!!!!!」
“みずしゅりけん”による牽制を潜り抜けて突っ込んでくるブイゼルだ。
善子『スーパーキャビテーション……面白いものを見せてもらったわ。でも、それ……相当制御に気を遣うんじゃない?』
空気の渦を自分に纏って速度を上げるなんて、よほどの達人芸だ。
そういう繊細な技は──
善子『ちょっと小突けば綻びるのものよ……!』
「ゲコガッ!!!!」
ゲッコウガの右手に持ったクナイがパキパキと凍り始める。
それを見て──
「ゼル…!!!」
ブイゼルがニヤリと笑ったのが見えた。そんなもの通じないとでも言いたげな笑み。
「ゼルルルルッ!!!!」
「ゲコガァッ!!!!」
2本のクナイを構えたゲッコウガと、ブイゼルが──すれ違いざまにお互いの斬撃をぶつけ合う。
──ギィンッという音がした直後……すれ違った背後に行ったブイゼルの体から──空気の層が裂け、体毛から弾けるように水泡が一気に飛び出した。
「ゼルッ!!!?」
善子『スーパーキャビテーション、敗れたりね』
制御を失ってすっぽ抜けたブイゼルの先に──ヌッと現れる紫色の影。
「ゲル…」
「ゼルッ!!?」
ブルンゲルが触手を使って、ブイゼルをキャッチし、
善子『“ギガドレイン”!!』
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